頑固おやじのクラブ工房 Vol.1 冬のラウンド対策に効くクラブチューンは何?
「冬ゴルフは寒いし、スコアも悪くなるし…」なんて思っているアナタ。オヤジさんが、寒い時季の遊び方を教えてくれました! 今週の通勤GDは、新連載「頑固おやじ」第1話です。
Q、「冬のクラブチューン」教えて
冬はショットも飛ばないし、ショートゲームのミスも増えてスコアを崩しがちです。スコアアップとはいかなくても、大叩きを防ぐようなクラブ全般のチューン、何かありませんか? (54歳・HC11・会社員)
A、“引き算”の発想がミスを減らす
歳のせいか、毎年少しずつ、1年が短くなっていく感じだなあ。まあ、ウチの常連さんたちもジジイ…… いや、超ベテランばかりになってきてるんで、似たようなこと言ってるんだけど、ラウン
ド数は年50回を超えてるのが多いんだ。
きっと、ただ毎日ゴルフしている感覚じゃねえのかな(笑)。ラウンド数は多くても、別に競技ゴルファーじゃなければ、クラブのチューンもパフォーマンスアップ一辺倒じゃなくていい。楽しくプレーできるためのチューン、てのもあるんだよ。
「冬場は振り切れないせいもあるのか、球のつかまりが悪くて飛ばないし、右に出るミスが増えます。アプローチも、ピッチ&ランのつもりでもザックリするし……。なんか冬場専用のチューンとかクラブセッティングをすれば、スコアがまとまるんですかね?」
奴さん、ここ数年仕事が忙しくて、ラウンドは月イチしかできないそうなんだが、冬場のラウンド
で大叩きするのが悩みらしい。
「月イチゴルファーが、年2、3回の冬ゴルフ用にチューンする必要なんてないよ。まあ、やるとしたら冬用セッティングクかな」
「えーと……。たとえば、ユーティリティを増やすとかですか?」
「ちょっと違うな。まずは“引き算”。クラブを8本まで減らす」
「エッ、減らすんですか?」
オイラが考える8本は、1W、5W、6I、8I、PW、AW、SW、パター。あ、6IはUTに換えてもいい。
「冬は飛ばなくなるんだから、番手間の飛距離差も減る。打ち分けには、これで十分さ。で、これに“お楽しみクラブ”を足すんだ」
“難クラブ”で伸びしろを増やす
「“お助けクラブ”じゃないんですか、チッパーとか?」
「違うよ、逆にロブウェッジとか入れるのさ」
「エーッ? それじゃ大叩きまっしぐらですよ」
やれやれ、これがオイラの考える“楽しくプレーできるためのチューン”なんだけどな。
「なあ、冬ゴルフなんてプロでも難しいんだよ。まして月イチがベストスコアを狙って出せるわけもない。だったら楽しんじゃえってことさ。ベストシーズンには試せない“やんちゃ”をしようぜ、ってことだよ」
スコアをそこそこまとめたかったら最初に選んだ8本でプレー。難しい番手もなく、飛距離差もメリハリがついているから、番手選びも迷いが少なくて済む。
でも、それだけじゃつまらないだろ。寒い中、ちまちまスコアをまとめて、それでもまとまらなくて、なんてことになる。だったら、ラウンド中にいくつか実験してみるといい。あえてミスしそうな場面で、確率の低い攻め方をしてみる。競技ならタブーでも、月イチの楽しみ方なら絶対にアリだと思うんだ。
「でも、スコア、気になりますよね…」
「だから、冬場はマッチプレーとかポイントターニーとか、1ホール完結で大叩きを引きずらないゲームをすればいいんだよ。で、1ホールごとにパーを狙ったりバーディを狙ったり。それも、ピンデッドに無理な攻め方をして。そのほうが楽しいだろ?」
このラウンド、実は上達メリットもある。難クラブ、難状況で上手くいけば成功体験が増える。た
とえ失敗しても言い訳を織り込み済み。だから、上達の伸びしろを増やせるいい機会になる。
「でも、失敗が増えるとトラウマになりませんか?」
「それ、やさしいクラブでやるのがダメなんだ。4Iとか3Wならミスしてもトラウマにならないし、ならば使わなくすればいい。て、もう使ってないか(笑)」
月刊GDより
イラスト/コーチはじめ