頑固おやじのクラブ工房 Vol.2 クラブチューンってどのタイミングがベスト?
「クラブチューンには2種類ある」と語るオヤジさんのチューン論に今月は耳を傾けてみよう! 今週の通勤GDは、新連載「頑固おやじ」第2話です。
Q、クラブチューンのベストな時期とは?
レッスンプロにライ角が合っていない、と指摘されました。スウィングが変わったせいもあると思うんですが、こういったクラブチューンはスウィング改造前とか途中とか、いつがベストですか? (44歳・HC11・会社員)
A、ニワトリとタマゴみたいなもの
「シングル入りしたくて、10月から練習場のプロにレッスンしてもらうようになったんですが、アイアンのライ角が合っていない、というんですよ。買った時にオヤジさんに合わせてもらったヤツなんですけど……」
「ああ、もう一昨年も前になるか、テーラーメイドの。少しアップライトにしたヤツな」
「具合は良かったんですけど、プロに言わせると、アップライトすぎるからインパクトで手元が浮いてときどきダフる。もう少しフラットなライ角だと入射角がゆるやかになって……」
「ああ、わかったよ、ライ角を少しフラットにしてやるよ」
「イヤ、オヤジさんの意見が聞きたいんですよ。スウィング改造の前にライ角を直したほうがいいのか、後のほうがいいのか。それとも、途中で行うとか」
なるほどな、何度も直すとカネがもったいない、てとこか(笑)。
「そりゃニワトリとタマゴ、どちらが先、てことはねえな。ただ、レッスンを受けるなら、その振り方に合うようにクラブをチューンすると、上達スピードは上がると思うよ。だから、今回は少しフラットにするのがいいんだろうな」
「でも、その振り方に慣れたら、また微調整が必要ですよね……」
「そんなの、レッスンを受けなくても必要なんだよ、本来は」
チューン、ていうかメンテナンスは、ずっと続くモンなんだ。
変わる要素への対応を考える
クラブチューンは2通りある。オイラはこう考えている。ひとつは、プレーヤーに“合わせる”もの。
体調、年齢に応じて、パフォーマンスを引き出せるようにする。振り方のクセに対応して、ミスを減
らすようにするのもこのやり方。
もうひとつは、プレーヤーが“合わせたくなる”もの。目指す振り方に近づけるよう、ややオーバースペックや違和感のある仕様にして、振り方自体を変えさせる。オイラがあまり“フィッティング”と言わないのは、前者のイメージが強いから。ワクワク感があるのは後者だからな。イヤ、個人的な感想だけど(笑)。
「毎年、オフシーズンには“合わせる”メンテナンスをしたいんだよ、ホントはね。でも、ウチでも常連さん以外はそんな考え方で来る人、いないんだよな」
「それはやっぱり、1度キッチリ調整したら、もう大丈夫と思いますからね。それに、プロじゃないんで、ちょっと体調変化に合わせてクラブ調整、というのも……」
「だから、1年ごとくらいでいいんだよ。クラブ、買い替えるくらいなら、そのほうがいいんだ」
「ウーン、買い替えたほうがリフレッシュ感があるんですけど」
こういう考え方、多いよな。チューンにカネかけられるはずの人ほど、買い替えちゃう(笑)。
「なんとなく当たらなくなって買い替える、なんてのはグリップ交換で済むんだけどね。ちょっと下巻きを変えるとか。そんな“合わせる”チューンで味をしめたのが、常連さんになってるんだよ」
「まあ、私は今回“合わせたくなる”チューンの依頼になるんですよね。ライ角調整、いくらぐらいですか?」
「スウィング改造用なら、7番だけ、という手もあるよ。で、スウィングが変わって来たら他の番手も直すし、7番もまた直す。これならムダがないだろ?」
目安は、7番以外が引っかかるようになったときかな。スウィングが変わらなかったら? 7番だけ戻せばいいのさ(笑)。
月刊GDより(イラスト/コーチはじめ)