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【五反田・焼きそば】有楽町ガード下の味が復活。後楽そば、伝統の立ち食い四品

あの名店が復活したことをご存知だろうか? 昭和47年、JR有楽町駅銀座口で産声を上げた「後楽そば」は、立ち食い焼きそばの名店として有楽町で働くサラリーマンたちの胃袋を40年以上にわたって支え続けてきたのだ。

ゴルフ場メシ向上委員会は「高くて」「マズい」と何かと不評の多いゴルフ場の「味改革」に役立つヒントを探しながら、誰もが食べて旨いと感じる味覚の標準値を探ります。「旨いの基準」は本家本元、本流の味を提供し続ける伝統店、人気店のメニューを考察し、多くの人に支持される味の秘密に迫るものです

平成15年、店舗周辺の区画整理を理由に移転を余儀なくされ、一時閉店するも2年後には日比谷口を出た高架下で営業を再開することになる。

ちなみに同店は、店名のとおり「そば」がメインではあったものの、知らず知らずのうち、焼きそばの評判が広がり、大多数のお客が焼きそばを頼むように。

そば通にも人気の古典的定番「たぬき」

人気の理由は「早くて安い、しかも旨い」こと。それにくわえ、ボリュームがあり、腹持ちが良いことも後押ししたのだろう。ビジネス街という立地と相性が良かったことは容易に想像できる。

そんな地場の名店が、突如その歴史に一旦、幕を閉じることになる。平成28年5月、JR東日本による耐震補強工事および有楽町駅改良工事のため、ふたたび移転を余儀なくされたのだ。

店頭に閉店のチラシが掲げられて以来、後楽そばの味を惜しむように、常連客たちが入れ替わり訪れるようになったが、その悲報はSNSなどでも拡散し、最終日と前日は店先に行列ができるほどだったという。

コロッケ派と真っ向対決「トンカツ」

平成30年3月初旬、「後楽そばが復活する」という知らせがファンたちのSNS上を駆け巡った。

店主によればどうやら閉店する際、JRより移転先の打診がされていたそう。その中で最も条件が合ったのが、新店舗となったJR五反田駅のガード下ということだ。

夏バテ気味の昼下がり、ダラけた胃に勝を入れるべく、はじめての「五反田 後楽」へ。

赤字の暖簾看板は有楽町時代と同じで、広くなったとはいえ、店内の雰囲気もそのまま。注文後、生麺を茹でて炒める工程も何ら変わらない。

このペアはもはや様式美「マヨネーズ」

注文してほどなく”素”の焼きそばがやってきた。ソースの絡んだ太麺に、もやしと豚ひき肉、キャベツがさらに絡み合う。たっぷりのった紅生姜を見るだけで夏バテが吹き飛びそうな気分になる。

がっつくにはまだ早い。トッピングが豊富な後楽では、思い思いのチューンを施すのがお約束だ。

なかでもおすすめなのが今回ご紹介している4種。

ボリューミーなカツをのせても、マヨで味変させても、ベースの味がしっかりしているので負けることなく受け止めてくれる。

創業以来不動の一番人気「半熟卵」

たぬき、トンカツ、マヨネーズ、半熟

定番のたぬきはコクと歯ごたえがアクセントになり、最初からたぬきがのるべきなのでは…なんて考えてしまうほど好相性。一番人気の半熟卵なんて、のせて割って口へ入れるだけで、これをおかずに最後まで行けるほど。

さらに最後のお楽しみがある。トッピングについてくるそばつゆに、焼きそばをつけて食べる方法だ。しっかりかえしの利いたつゆに焼きそばをくぐらせると、そばの後からソースの香りが追いかけてきて、何とも言えぬ不思議な旨さ。

人気急上昇中のそばつゆ

天ぷらそば

5品目はもうひとつの定番 「天ぷらそば」。東京の立ち食いらしい、かえしの利いたつゆ

食べ終わり、思わず言葉が漏れた「おかえりなさい」。

五反田駅東口から徒歩1分
後楽
東京都品川区東五反田1-26-6
TEL.080-8890-4596
営業時間:6~24時(月・祝翌日は6:30~・土日祝は10~20時)
無休

月刊GD2019年10月号より

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