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ゴルフ場は盛況だが…レストランの苦境を打開する2つの事例

コロナ禍によってゴルフ場入場者は大幅に増えたが、レストランの売り上げは大きな打撃を受けた。そんな状況を少しでも打開しようとした施策を2つご紹介。

まずは有馬CCのレストランを運営する(株)ニューアリマで始めた新規事業。レストランで提供しているメニューを瞬間冷凍してECサイトで販売する事業計画を作成し先日、第5次公募で補助金を申請したところだ。

同社はコロナ禍でレストランの売り上げが激減し、レストランを一般客に開放して売り上げ拡大を狙おうとしたこともあったが、ゴルファーで混み合う時間帯に一般客の来場が重なれば人手不足などの問題も生じかねず、結局実施にはいたらなかったという。

そこで以前から関心を持っていた冷凍販売のビジネスに目をつけたという次第だ。

またこの事業ではゴルフ場で提供しているランチメニューを瞬間冷凍するため、新たに別の食材を購入したりする必要はなく、在庫を抱えるリスクをなるべく減らし、フードロスを抑える効果もあるという。

ただしこの事業申請はまだ結果待ちで、交付決定後は食材の冷凍に必要な急速冷凍機や大型冷凍ストッカー、真空包装器などを発注して、販売する商品のラインナップなどを準備したのち、来年6月くらいのオープンを目指しているそう。

もう1つの試みは、コロナ禍によってさかんになったテイクアウトをゴルフ場の自販機で行おうというもの。

福岡県にある小郡CCはゴルフ場として初めて博多名物の「冷凍明太子」の自動販売機を設置した。コロナ禍を機に、変わり種商品を売る自販機が登場しているが、ゴルフ場で初めての設置ということで、好評という。

「設置するデメリットはほとんどありません。家族へのお土産など最適ではないでしょうか。近くを通られた際、ご購入だけのために当ゴルフ場へ寄っていただくのも歓迎です」(同CC支配人・三輪義広氏)

これらのチャレンジをゴルフ場経営コンサルタントの菊地英樹氏は、「自販機を設置するスペースは、広いクラブハウスを持つゴルフ場にとって何ら問題はありません。両コースに共通するのは、冷凍食品のクオリティが格段に上がったことが挙げられます。レストランでの人手不足を冷凍食品で補い、客もまた”味”に違和感を持たなくなりつつあります」

”食べ物系自販機”が増えつつある時勢、完全セルフを謳うゴルフ場が増えてきているなか、もしかすると“セルフ食堂”も出現するかも?

小郡CCの”明太自販機”

週刊ゴルフダイジェスト2022年12月27日号より