【大人ゴルフの歩き方】Vol.21「知らない人とまわろう!」
スコアだけがゴルフじゃない! コラムニスト・木村和久が独自の視点から現代の正しいゴルフの在り方を指南。
ILLUST/Shinichi Hoshi
第21講 知らない人とまわろう!
①友達ラウンドはマンネリ感あるね
②ゴルフは人見知りしちゃダメ
お呼ばれゴルフはほどほどに
いつも誘いを受けてゴルフをしていたけど、最近はコロナでコンペが壊滅、友達とのラウンドも回数がめっきり減りました。そもそも、誘われるゴルフは難点が多く、自分で日程も場所も予算も選べません。
じゃあ、自分でひと組、ネットで予約して、ラウンドするか? そんな甲斐性なんてありません。そもそもメンバーが集まらず、ペコペコ頭を下げて来てもらうって、なんでそこまで卑屈にならねばならないのか?
そんなある日、ゴルフサイトでオープンコンペなるものを発見します。ひとりで参加可能だと。試しに家から近いコースに申し込んでみました。コースに行くや賞品の数々がフロント前に並べられて、びっくり仰天。えらい気前がいいと思うでしょうが、大丈夫。通常8000円のプレーフィーのところ、オープンコンペは1万円と2000円アップになっています。すでに賞品代が乗せられているのです。むしろ元を取らないとダメです。
どんなツワモノが現れるかと思って、乗用カートに向かうや、温和なおじさん3人が勢ぞろいしていて、妙にほっこり、これなら楽しく回れる予感をひしひしと感じる、初秋のゴルフ場でした。
●難点が多く
友達に言われるままに行くしかないし、断ってると呼ばれなくなるし、いろいろ気を使います
●頭を下げて
「割引券あるから来ない?」「お昼おごるからさ~」たかがゴルフの誘いに、そこまで卑屈にならねばならないのか
●ツワモノ
長年ひとりで回っている人は、独自の社交術を持っていて、人当たりはいい。コワオモテの人はまず来ない
●オープンコンペ
普段行けない名コースもやっていて、視察プレーを兼ねて訪ねるのもあり。今やメンバーコースの強力な集客ツール。ハーフの新ペリアで計算し、プレー後すぐに賞品を持って帰れる
オープンコンペに行ってみると
さて知らない人とのオープンコンペ、どうなりますやら。ここで魔法の言葉を授けましょう。「初めてなのでよろしくお願いします」と言うや、常連さんがテキパキとフォローしてくれるから不思議です。
ラウンドはとりあえずノータッチプレー。6インチ以内を動かせるローカルルールを採用するコースもありますが、そこは流れに従いましょう。
ここで問題なのがオーケーパットです。甘い人もいれば、厳しい人もいます。よかれと思い「オーケー」と言っても、「オーケーは70センチ以内。これは違います」と言って、厳密に打つ人がいますから。面倒くさがらず、場の雰囲気を読み、なごやかにプレーしましょう。
そして絶対やるべきは、同伴メンバーの打つボールを見ること。ボールを毎回見失う人がいます。そんなの放っておけばいいと思うでしょ。けれど今はセルフプレー全盛だから、後でその人のボールをみんなで手分けして捜さなきゃならない。結果、凄くプレーが遅れイライラするのです。
だから最初に、「この人は打ったボールを見ていない」とわかったら、代わりに見てあげること。でないと後で苦労しますよ。
さてハーフが終わりました。いよいよ楽しいランチタイム。ここではさりげなく聞き役に回りましょう。ほかにどんなオープンコンペに参加しているかなど、情報収集は怠りなく。時々、テンションが上がり自慢話を始める人がいます。やっかいなので、切り上げて「トイレに寄るのでお先に」と言って去るのが賢明かと。
オープンコンペの表彰式はほとんどありません。ラウンド結果が張り出され、賞品をもらうだけです。参加賞は頂いて帰ってください。狙うは飛び賞。スポンサー提供の詰め合わせなどが多いかな。
実にいろんなタイプの人がいます。人間観察にはもってこいです。そしてひとり参加ゴルフも悪くない、癖になりそうな予感がしたのでした。
●フォロー
棒を持って来て順番を決める人、リモコン係、運転係と役割をみんな分担してくれるから助かる
●70センチ以内
オーケーは70㌢以内と言っても、人それぞれ距離感は違うから
●見失う人
ボールの行方を追わない人というか、追えない人は結構いる。視力が弱いとかね。そういう人に限って堂々としているから困る
●自慢話
どのコースに行ったことある選手権が始まると、みんな止まらない
●ひとり参加
メンバーコースなら週末はたいがいひとりでふらっと。河川敷のパブリックで早朝並ぶのもあり。ほかひとり予約、視察プレー、友の会などでひとりラウンドができます
今月のまとめ
ゴルフってラウンドが始まれば、自分との闘いで、しょせんひとり。
漫画「タイガーマスク」も「群れをなすライオンより、孤高の虎となれ」と言ってるじゃん。
一回ひとりで行動してみよう、あまりの自由さにやみつきになりますよ。
教える人/木村和久
ゴルフ歴32年のコラムニスト。ベストスコア75、2001年鶴舞CCキャプテン杯優勝。『89ビジョン』など新しいゴルフの楽しみ方を様々提案する自称「ゴルフ生活評論家」
月刊ゴルフダイジェスト2022年12月号より