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大物設計家による改修、眺望抜群のホテル…静岡カントリーグループの“攻めの経営”は吉と出るか?

快適なゴルフライフには、優れたコースと美しい眺望があればいいのかもしれない。

静岡C島田GCは昨年春に改修を開始し、昨秋にオープン済み。改修の指揮をとったのは、多くのコースの改造・改修を手掛け、“オープンドクター”と異名を持つ巨匠、リース・ジョーンズ氏。氏が国内で改修を手掛けたコースは、同コースのほかに同じグループの静岡C浜岡C&ホテル、茨木CC、太平洋C御殿場Cの計4コース。

改修のポイントは、樹木を400本伐採して芝の育成を促し、景観をすっきりさせたこと。また、バンカーはコースの佇まいや戦略性を持たせるハザードとして重要なファクターとなるため、これまでのバンカーをすべて見直し、増減した。縁をしっかり刻み、陰影をつけることで、ティーイングエリアからのロケーションが格段によくなった。

また、氏の特徴である、危険を承知で挑戦して成功すれば、大きな成果を得る“リスク&リワード”の設計思想をあちこちに配した。日本特有の2グリーンも単なる“メガネ配置”でなく、それぞれに変化を持たせている。

浜岡Cがトーナメント開催を意識した改修とすれば、島田GCのそれは、メンバーたちがゴルフを深く楽しむための「エンジョイ型改修」といえるだろう。

また、静岡Cグループには日本平ホテルがある。標高300メートルからの眺望は、「日本観光地百選」の第一番に選ばれたほど。駿河湾の向こうに富士山が控え、遠景には南アルプスも仰ぐ圧倒的なロケーションだ。島田GCとはちょっと距離は離れているが、この眺望なら、多少のことは気にもならないだろう。

7月下旬には1万発の花火大会も行われ(入場無料)、1万8000人の観衆を集めた。むろん眼下の静岡市からも見え、地域貢献にも役立っている。

これらの“攻めの経営”ともいうべき姿勢に、ゴルフ場経営コンサルタントの菊地英樹氏は──。「静岡Cグループは4カ所のゴルフ場を長く経営していて、民事再生していないだけでもすごい。レアケースです。しかも“しのいでいる”感じはまったくなく、超大物設計家を招聘するなど、積極的に資本投下しています。地元にしっかり根付いているからでしょう」

これはぜひ、今のうちに体験したいところだ。

リース・ジョーンズ氏がいちばん好きなホールという島田GC13番

週刊ゴルフダイジェスト2022年8月16日号より