【ヤマランドニッポン】Vol.54 霊峰・御荷鉾山を望む高原コース「エースゴルフ場」(群馬)
名設計家R.T.ジョーンズJr.は日本を「ヤマランド」と呼び、日本のゴルフは山麓でプレーするものと言った。そんな日本の素晴らしいコースを再発見していく連載「ヤマランドニッポン」。今回は、群馬県の「エースゴルフ場」をご紹介!
PHOTO/Shinji Osawa TEXT/Mika Kawano
この景色も今年で見納めに
群馬県藤岡市、大自然に囲まれた高原にエースゴルフ場(旧エースゴルフ倶楽部 藤岡コース)がある。
和泉道生設計、近江賢監修の18ホールは比較的くみしやすいホールから始まり後半徐々に手応えが増し、グリーン左に池がせり出す戦略性の高い18番でフィナーレを迎える。
18番は景色に溶け込んだ北欧風の瀟洒なクラブハウスと山麓の雄大なパノラマを一望する美しいホールだが、ティーショットの落としどころによっては池越えになるため気が抜けない。気分良くホールアウトするためにも慎重さが必要だ。
9番はみかぼ山を望むパー4。漢字で「御荷鉾山」と書く上州の名山は、古くから信仰の山としてあがめられ、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の際、鉾を担ってこの山を越えたという伝説から「鉾」の字が当てられた。ひととき神話に思いをはせティーショットを放つのも一興かもしれない。
ヤマランドにしては全体的にフラットだが、グリーンに微妙なうねりがあり手強い。
実は昨年12月いっぱいで通常営業が終了し、現在は完全セルフ&スルーのみでプレー可能。次の利用方法が決まり次第、年内には閉鎖される予定だという。
春近し。秀麗な山々に囲まれた丘陵コースは、閉鎖される前に一度は訪れておきたい。
エースゴルフ場
18H・6657Y・P72
週刊ゴルフダイジェスト2022年3月22日号