王子のスキャンダルはゴルフ界にも波及。“ロイヤル”3クラブの名誉職をエリザベス女王が引き継ぐ
イギリスの公爵であるアンドルー王子が、ロイヤルポートラッシュGCを含む北アイルランドの3つのゴルフクラブの名誉職のタイトルを失った。
アンドルー王子はチャールズ皇太子の弟で、イギリスの王位継承権第9位。ゴルフ好きで知られ、ローシングルの腕前。
日本では“ロイヤル”の名称は自由に使われるが、イギリス領ではロイヤルと名の付くゴルフクラブは、王室からお墨付きをもらって初めて名乗ることができる。ロイヤルポートラッシュも開場は1888年だが、ロイヤルの名称がついたのは、時の公爵がお墨付きを与えた1892年。
就任した名誉職はクラブを後援、応援する必要があり、例えばロイヤルポートラッシュで19年に全英オープンが開催されたときには、アンドルー王子が公務として観戦に出かけている。ちなみにその際、通常の航空便があるのにプライベートジェットを使い、1万6000ポンド(当時の日本円で約210万円)を税金から使ったとして批判を浴びたことがある。
このたび、その名誉職が解かれて、今後はエリザベス女王がその職を引き取ることになったというわけだ。加えて、ヘンリー王子とメーガン妃と同様に「殿下」の呼称も使うことができなくなっている。
本人は否定しているものの、20年ほど前に当時17歳の女性への児童買春に関わった疑いで、現在、裁判が行われ、かなり不利な状況で、英国王室から半分見放されている状態。女王が動いてくれたことで、対応に苦慮していた3クラブのメンバーたちは、ホッと胸をなで下ろしたとか。しかし、25年にロイヤルポートラッシュで開催される全英オープンには、まさか、その年に100歳になっているエリザベス女王が観戦するわけにはいかないはず。R&A初の女性メンバーの一人となったアン王女あたりが、弟の名誉職を引き継ぐことになるのかも?
週刊ゴルフダイジェスト2022年2月8日号より
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