【名物ホールでいつかバーディ】Vol.10 短くても要注意! “リースバンカー”がミスを誘う「静岡CC島田C」8番パー4
かつてチョイス誌の編集長も務めたゴルフコースのスペシャリストが日本全国の名物ホールをレポート。今回紹介するのは、静岡CC島田Cの8番ホール。
【名物ホールFile 10】
静岡CC島田C 8番ホール
342Y PAR4
ティーショットですべてが決まる!
短いが戦略性の高いホール
1965年に開場したコースの設計は、霞ヶ関CCを手掛けた藤田欽哉によるものだが、2021年に名匠リース・ジョーンズによって大規模改造が行われ10月に完成した。大きく育った樹木は風通しと日差しを考慮してほどよく伐採され、コース全体に開放感が漂うのと同時に優れた景観を得ることができた。
大きな特徴としては、バンカーの位置と形状が見直され“リースバンカー”と呼ばれる独自のバンカーに変更されたことだ。
8番ホールは右ドッグレッグで距離は342ヤード。フェアウェイ左側にある大きなバンカーが視認でき、「ここに打ち込んではいけない」と教えてくれる。自ずと狙いはバンカーの右側エリアに絞られる。200ヤード打てれば残りは7〜8番アイアンで打てる距離になるが、打ち上げ、そして風の強さと向きを加味してピンを狙うことになる。
プレーした際にはバンカーの右側に上手く打てたが、2打目の距離を甘く見てしまい、ボールは手前にショート。そこからは寄らず入らずと、短いが手強い8番ホールにしてやられた。
改造を施したバンカーによって日本庭園的なコースの美しさがさらに引き立てられた。点在する姿の良い赤松もアクセントになって、全体がより印象的なコースに仕上げられている。
改造前にもプレーしているが、同じコースとは思えないほど進化している。リース・ジョーンズは「オープンドクター」と称されるだけに、その出来栄えには素晴らしいものがあった。
人気メニューはまぐろ鉄火丼
マグロ水揚げ日本一の焼津が近いので天然南鮪のまぐろ鉄火丼(2420円)を選択。まぐろは肉厚で濃厚な旨みがある
静岡カントリー島田コース
静岡県島田市舟木3500
18H・6271Y・P72
コース設計/藤田欽哉 改造/リース・ジョーンズ
文/吉川丈雄
特別編集委員。1970年代からアジア、欧州、北米などのコースを取材。チョイス誌編集長も務めたコースのスペシャリスト。現在、チョイス誌ベスト100選考委員、日本ゴルフコース設計者協会名誉協力会員としても活動
月刊ゴルフダイジェスト2022年2月号より