【名物ホールでいつかバーディ】Vol.7 “小さな琵琶湖”が行く手を阻む!「琵琶湖CC」三上Cの9番ホール
かつてチョイス誌の編集長も務めたゴルフコースのスペシャリストが日本全国の名物ホールをレポート。今回紹介するのは、今年の日本オープン開催コースでもある琵琶湖CCの三上C9番ホール。
【名物ホールFile 7】
琵琶湖CC 9番ホール(三上C)
406Y PAR4
左右のグリーンで
攻略ルートがガラリと変わる
滋賀県最古のコース、琵琶湖CC。開場は1959年。過去数々のナショナルオープンが行われている名コースであり、今年も日本オープンが開催される。設計は富澤誠造だが、昨年グレッグ・ノーマンによる改造が行われた。なかでもグリーンはトーナメントを意識したスリリングな出来栄えだ。楕円の紙の両端を指でつまみ、左右逆方向に軽くよじると紙の表面に起伏が生じるが、各ホールの性格に合わせてそのよじり方に工夫がされている印象だ。グリーン上の起伏は錯覚を起こしやすく「えっ、下りなの」とか「意外と上っているんだ」となりやすい。ノーマンは、コースに関してはピート・ダイに心酔しているといわれ、世界のツアーで戦ったノーマンのグリーンに対する理念を見た気がした。
今回ノーマンが改造をしたのは3つある9Hコースのうちの琵琶湖コースだけだが、池のある三上コースの9番ホールが心に残った。池は琵琶湖を模していて、フェアウェイを分断しているため、1打目の落とし場所によって戦略は大きく変化する。当然2打目以降は池越えになり、フェアウェイ右に運んでしまうと左グリーンの場合には狙い難く、逆でも同じような状況になる。しかも左右のグリーン手前の間には松林があり、やや打ち上げになることから1番手大きなクラブを手にしたくなる。結果は、目の前の池を意識しすぎて力んでしまい「琵琶湖」の餌食となってしまった。
ノーマンによって27ホールのすべてが改造されたら、コースの難易度はかなり高くなることが予測され楽しみでもある。
名物メニューは牛肉づくしの丼
お薦めのランチは黒毛和牛の網焼き丼。肉はジューシーでとてもやわらかく、肉にかけられたタレがご飯と絡まってとにかく旨い。2200円で幸せになれた
琵琶湖カントリー倶楽部
滋賀県栗東市御園513
9H・3434Y・P36(三上C)
9H・3349Y・P36(琵琶湖C)
9H・3516Y・P36(栗東C)
コース設計/富澤誠造 改造/グレッグ・ノーマン
撮影・文/吉川丈雄
特別編集委員。1970年代からアジア、欧州、北米などのコースを取材。チョイス誌編集長も務めたコースのスペシャリスト。現在、チョイス誌ベスト100選考委員、日本ゴルフコース設計者協会名誉協力会員としても活動
月刊ゴルフダイジェスト2021年11月号より