PHOTO／Akira Kato、Tsukasa Kobayashi、Takanori Miki、Hiroyuki Okazawa、Hiromoto Furukawa

今年の「土用の丑の日」は7月28日。スーパーやコンビニなど、街のいたるところで鰻の蒲焼きを目にする機会が増えてくるが、せっかくならコースのランチで、ゴルフ帰りに名店で、美味しい鰻をいただこう!

蒲焼きのルーツは千葉にあり
千葉のコースの鰻が旨い!

鰻といえば浜名湖のイメージが強いが、実は「蒲焼き」発祥の地は千葉。その歴史的背景からか、千葉には、いまでも鰻にこだわっているコースがある。名店も顔負けの、激ウマ鰻が食べられる千葉のコースを紹介!

古くから食用とされてきた鰻だが、以前は川魚のひとつにすぎなかった。しかし、江戸時代に千葉で作られた醤油やみりんが普及するのに合わせて鰻の蒲焼きが誕生すると、その濃い味付けは瞬く間に江戸っ子を虜とりこにする。

また、当時の千葉には利根川や手賀沼など鰻の産地が多数あり、さらに人気歌舞伎役者・市川團十郎が「成田屋」を名乗り「成田詣」がブームになると、産地はもちろん、街道沿いの宿場や参道にも多くの鰻店が軒を連ねた。現在でも営業を続け、受け継がれた伝統の味が楽しめる老舗店や、こだわりの絶品鰻を出す名店が千葉に多いのも、こういった歴史があるからだろう。ゴルフ場も例外ではなく、とことん鰻にこだわっているコースもある。本格的な鰻の蒲焼きが食べたくなったら、ゴルフに行くのがオススメだ。

●食通のメンバーたちも絶賛

成田GC

ふわふわの食感にこだわるために、とくに身が肉厚の鰻だけを厳選。それをコースで40分かけじっくりと蒸しあげ、秘伝のタレを塗りながらしっかりと焼き上げる。口に入れた瞬間にホロホロとほどけ、香ばしい香りと旨味が口いっぱいに広がる。「素材の良さと味は、どこの老舗店にも負けません」（村岡総料理長）

●100年続く名店のタレを継承

レインボーヒルズCC

ブランド鰻「うなぎ坂東太郎」として知られる地元の国産鰻を使用し、料理長が老舗店から受け継いだタレで丹精込めて焼き上げる。箸を入れただけで身が崩れるほどやわらかで、鰻の旨味と香ばしさが口いっぱいに広がる。コクがあるのにスッキリとしたタレが絡んで、鰻本来の味が楽しめると評判の味。

●老舗の味をそのまま提供

香取CC

古くから「水郷の町」として知られる香取市佐原では鰻が有名だったことからメニューに。地元の老舗川魚問屋・おくやまの白焼きを、おくやまで勤務経験があるシェフが、鰻の香りを引き立てるようにコースの厨房でじっくりと焼き上げて仕上げる。普段は4400円だが、毎週木曜日は女性限定で追加料金なしで食べられる。

●捌きたてだから鮮度が違う

南総CC

国産鰻の鮮度にこだわり、活きたままの鰻を仕入れ、職人がコースで捌いて提供。一度白焼きにし、じっくり蒸してから半身は蒲焼きに。最初はわさび醤油で白焼きの香りと身の甘さを堪能したら、タレで香ばしく焼き上げられた蒲焼きをご飯と一緒に。もちろん肝吸い、骨せんべい付き。1食で3度旨いコースの名物料理。

コース近くで味わう絶品鰻【関東・中部】

最近はスループレーのコースも増えてきたし、これからの季節は暑い日中を避けた午後ハーフも快適。それならば、午前スルーのあとや午後ハーフのスタート前に、コース近くの名店で、美味しい鰻を食べちゃおう!

●食通たちがうなる極上蒲焼き

うなぎ 量深（茨城）

7年前までは日本料理店だったが、若い頃に修業をした鰻の老舗店の親方から秘伝のタレを受け継ぐと、店を改装して鰻だけに集中。コロナの影響で現在はテイクアウトが主で、店で食べられるのは水曜日のみ。鰻は天然地下水に2日間泳がせてから使用。食通と言われる各界の重鎮たちから愛される。地元の畑岡奈紗も大絶賛。

●外はカリッ、中はフワッ。創業165年の味

うなぎ桜家（静岡）

富士の雪解け地下水に仕入れた鰻を数日間流してから使用。肉厚の鰻を蒸してから紀州備長炭の強火で焼き上げると、表面はカリッとしているのに、中はフワッととろけるような独特な食感になり病みつきになってしまう。甘すぎず、キリッとしたタレが鰻本来の味を引き立て、熱々のご飯が鰻が冷めるのを防ぎ、最後まで美味しく食べられる。

●捌きは関東、焼きは関西風

御うな 小松屋（長野県）

諏訪湖畔で川魚の佃煮、甘露煮の販売を中心に営業してきた老舗店。100年以上継ぎ足されてきたタレは、甘さ控えめのスッキリした味わい。諏訪湖周辺の蒲焼きは関東風に背開きされるが、蒸さずに素焼きしてタレをかけて焼き上げた関西風。程よく脂が落ちた分厚い身は、ふっくらと仕上がっているが、皮面はパリッと香ばしい。

●スッキリとしたタレ。プロも通う名店

甲州うなよし（山梨）

フジサンケイクラシックなど、近くでトーナメントが開催されるときはプロゴルファーが足しげく通うという名店で、店内にはサインがぎっしりと飾られている。蒸してから炭火で焼き上げる関東風。ボリュームもあるがキレのいいタレでさっぱりと頂ける。

コース＆コース近くで味わう絶品鰻【西日本】

西日本では関西風の「地焼き」が主流だが、時間的制約から関東風を出すゴルフ場も多い。メンバーをはじめ旨いと評判の鰻が食べられるゴルフ場とコース近くの名店をご紹介!

●昼食時間に合わせてじっくりと焼き上げる

涼仙GC

三重県桑名市産の朝〆ブランド鰻を仕入れ、継ぎ足しの甘辛なタレでじっくりと焼き上げる。皮はパリッとしていて香ばしく、身は新鮮さゆえに少し弾力のあるプリッとした歯応えで、噛むたびに旨味が広がる。なかなかプレーできないコースだが、行く機会があればぜひ味わっておきたい。

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●活き鰻を厨房で捌き蒸しを入れる関東風

奈良柳生CC

ミシュランガイドにノミネートされた「月日亭」の流れを汲み、秘伝のタレで焼き上げる。鮮度にこだわり、活き鰻を仕入れ、厨房で捌いて提供。蒸してから焼く関東風で、ふっくらとした身と甘めのタレが相性抜群。

●鰻1匹を丸々使用した人気メニュー

有馬ロイヤルGC

愛知県産の厚みのある鰻を厳選して使用。関東風の蒸しを入れてあるため肉厚の身は口のなかでとろけるほどやわらかい。サイズも大きくボリューム満点で、この鰻を目当てに来場するゴルファーも多いという

コース近くの美味しいお店【西日本】

●100年以上受け継がれたコクのあるタレ

うなぎのやまぐち

南九州産の鰻を毎日仕入れて捌き、注文後にじっくりと焼き上げる。皮はカリッと香ばしく、身はふっくら。口に入れるととろけるような食感で鰻のうま味が押し寄せる。肝吸いの代わりに大豆をすりつぶした宮崎名物「ご汁」が付く。珍しい「うなぎのあらい」も食べられる。

●鹿児島から毎日直送。さっぱりタレの関西風

うなぎ処 うな富本店

毎日鹿児島から直送される鰻を職人たちが仕込む。タレは無添加で甘くなくさっぱりとした味わい。時期によってはシャコを食べて育ち、香ばしさのある金うなぎも提供。注文してから焼き上げるため、20～30分かかってしまうが、落ち着いた店内でゆっくりと過ごせる。テイクアウト用弁当も販。

●2種類の炭を使い温度にこだわり

鰻彩のとや

問屋からそのときいちばんいい産地の鰻を毎日仕入れて使用。関西風の地焼きだが、備長炭とオガ炭の2種類を使って、炭火にこだわって焼き上げる。蒲焼きは食べ終わってももう少し食べたいと思えるような甘さ控えめのサッパリタレ。白焼き丼は、はけで特製醤油を塗りながら頂く。香ばしさと鰻本来の旨味がダイレクトに伝わる。

週刊ゴルフダイジェスト2021年7月6日号より