【ヤマランドニッポン】Vol.37 杵島岳に向かって放つショットは爽快!「阿蘇東急GC」(熊本県)
名設計家R.T.ジョーンズJr.は日本を「ヤマランド」と呼び、日本のゴルフは山麓でプレーするものと言った。そんな日本の素晴らしいコースを再発見していく連載「ヤマランドニッポン」。今回は、熊本県の「阿蘇東急GC」をご紹介!
PHOTO/Hiroyuki Okazawa TEXT/Mika Kawano
震災を乗り越え進化を遂げた
熊本県阿蘇山麓の雄大な自然を背景に名匠・宮澤長平が描いた戦略性豊かなチャンピオンコース、それが1976年開場の阿蘇東急ゴルフクラブだ。
阿蘇くじゅう国立公園内のコースは、恵まれた立地を生かした丘陵地ならではの18ホール。上級者からアベレージゴルファーまで実力に応じて楽しめる舞台づくりを得意とした宮澤が、“品格と美しさ”をテーマに、山に抱かれた景勝地に奇をてらわずあるがままの自然を十二分に生かしたコースを造り上げた。
インコースはヤマランドらしい景観が続くが、とくに阿蘇五岳のひとつ杵島岳(きしまだけ)に向かってショットを放つ16番のパノラマビューは圧巻。
5年前の熊本地震によりクラブハウスは全壊、コースに地割れが走り土砂が流入するなど甚大な被害を受けた。阿蘇大橋の崩落は記憶に新しいが、その橋がコースへの主要アクセスを担っていため復旧への道のりは険しかった。それでも心をひとつにして18年にゴルフ場の営業を再開、19年4月にグランドオープンの日を迎えた。さらに今年4月クラブハウス内に宿泊施設を完備した阿蘇キャニオンテラス&ロッジを開設。ゴルフだけでなく新たな阿蘇観光の拠点を誕生させた。
震災を経て阿蘇東急は背景に物語があるコースとなったのだ。
阿蘇東急GC
18H・6737Y・P72
週刊ゴルフダイジェスト2021年6月15日号より