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ゴルフ場も“持続可能”に! 春日井CCの最先端な取り組み

昨今、ゴルフ場でも「SDGs」の取り組みが増えている。その中でも愛知県にある「春日井CC」は他よりも一歩進んだ取り組みを行っている。「未来のために」我々ができることを考えよう。

14番・462Y・パー4。グリーンの向こうに名古屋市内が見渡せるパー4。コースは改修され、大きなバンカーやワングリーンなど、アメリカンな要素が増え、戦略性が増した(PHOTO/Taku Miyamoto)

持続可能なゴルフ場へ

2026年「アジア競技大会愛知・名古屋」の会場に決まっている春日井CC。それに伴い、アメリカ人設計家デイビッド・デール氏によって、東コースの大幅改修が行われた。春日井CCは1964年開場の歴史あるコース。いわば『古き良き日本』が残っていて、そこにアメリカの最先端を入れ込む形になった。この改修により、景観はもちろん、戦略性も大幅にアップデートされた。

アップデートされたのはコースだけではなく、コース管理の技術的なところも。例えばバンカーは、豪雨などで水がたまってしまうことが長年の課題だったが、新たなシステム(世界1500以上のコースで採用されている)を投入したことで、大雨が引き起こすバンカー砂の流亡や崩れの被害を最小限にとどめることができる。

世界のメジャー開催コースでも採用されているバンカー工法(Better Billy Bunker)を取り入れ、ゲリラ豪雨でも水たまりができず、プレーに支障が出ない

さらには、コースの命とも言える芝の管理も”完全電子制御式バルブインヘッドシステム”のスプリンクラーを導入し、効率的に芝を“最もいい状態”にキープするだけでなく、労働時間や、メンテナンス費用の削減にもつながっている。

この他にも高齢化と人口減少が進む日本にあって、ゴルファーの高齢化やキャディ不足を想定し、2人乗りカートを導入。『効率的で持続可能な高品質なゴルフ体験の実現』を目指している春日井CC。一度足を運んで、このコースの戦略性とメンテナンスを体験してもらいたい。

無駄を省いたスプリンクラーの設置

グリーン周りにスプリンクラーが2つ。完全電子制御式システムを導入したことで、散水効率が大幅に向上した

無人芝刈り機導入

無人芝刈り機を導入し、夜間作業が可能に。年間800時間以上の労働時間を削減できる。もちろん、クオリティは申し分なし

春日井カントリークラブ
愛知県春日井市西尾町1071
東コース:18H・7050Y・Par72 西コース:18H・6886Y・Par72
開場/1964年10月23日
設計/井上誠一、デイビッド・デール(東コース改修)

月刊ゴルフダイジェスト2026年2月号より