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「屋内に18のグリーン」「リアルすぎるゴルフ体験」中国の最先端バーチャルゴルフ場『CITY GOLF』をプレーしてみた

中国・天津に誕生した最新鋭のバーチャルゴルフ場「CITY GOLF」が話題を呼んでいるが、いったいどんな施設なのか。現地を訪れ実際にプレーしてみると、あまりのリアルさに驚愕!

PHOTO/Takanori Miki

最初はシミュレーターでプレーし、ボールがグリーンに近づくとスクリーンがオープン。一転、リアルな空間でのプレーが楽しめる

>>前編はこちら

約5000坪の敷地に
18のグリーンを設置

タイガー・ウッズとローリー・マキロイが創設したバーチャルとリアルを掛け合わせた新リーグ「TGL」が今年から始まった。しかし、これはショーの意味合いが強く、一般ゴルファー向けに造られたものではない。ところが、GOLFZONは中国でリアルとバーチャルを組み合わせたインドアゴルフ場をすでに完成させ、昨年9月から営業を始めている。

それが天津市にある展示場の3階に造られた「CITY GOLF」。敷地面積は東京ドームの約1/3。サッカーコートでいうと約2.5面分の1万6000㎡(約5000坪)。そこにGOLFZONの最新シミュレーションゴルフ「TWOVISION NX」を18台導入。1ホールで1台使い、その奥には計18個のグリーンを設置。グリーン周りにはリアルなバンカーや池も再現されている。

ティーイングエリアからグリーンの10ヤード手前まではシミュレーションゴルフでプレー。約10ヤード以内に入ったらスクリーンが自動的に巻き上げられ、その先に待つグリーンでプレーを続けてスコアを競う。天井が18メートルとかなり高いが、これはグリーンでボール位置を指定するために使用されるレーザーポインターを上空に設置するためのもの。実際に同じ施設を造ろうとすると高さは最低でも10メートル必要になるという。


プレーできるのは基本的にはメンバーもしくはメンバー同伴のゲストのみ。会員権は10万元(約200万円)で、メンバー料金は1ラウンド平日248元(約5000円)、ビジターは平日500元(約1万円)、休日はメンバー300元(約6000円)、ビジターは600元(約1万2000円)。18ホールプレーのほかに9ホールプレー料金も設定されている。平日は団体等の受け付けもしており、日本でいうコンペプランのような感覚だ。営業は18時まで。これは暗くなると照明の影響が強くなり、影でグリーンがプレーしにくく、客足が伸びないからだ。

現状、多いときで1日70人ほどがプレーするといい、木曜日と金曜日の来場者が多い。また、天津は冬が寒く、屋外は氷点下になることから客足が伸びるという。

中心街から車で40分ほどの展示場内に造られた

観光で人気の五大道やイタリア街などがある天津駅周辺から車で南に40分ほどの場所にある展示場「天津梅江会展中心」の3階を改装して18ホールを造り出した

傾斜が変わる打席に
リアルなグリーン&バンカー

日本の河川敷コースのようにキャディバッグを1人用手引きカートに積み込んでのラウンドだが、基本的に各組1人のキャディが帯同し、「ナイスショット!」と盛り上げてくれたり、ライン読みを手伝ってくれるのでリアルなラウンドそのもの。1人で回れるのもうれしい。

最初にプレーヤーの名前を登録してコースをセレクト。実際のコースをドローンで3Dスキャンしたこともあり、コースの景色やアンジュレーションもかなりリアル。ティーショットは平らだが、セカンドショットからは地面の傾斜が自動で変化。複雑なライも再現されるので、つま先上がりの引っかけなど、リアルなミスも出てしまう。ボールがグリーン約10ヤード以内に入るとスクリーンが上がり、人工芝のグリーンステージに進む。

上空からレーザーポインターでボール位置が指定され、そこからプレーを再開するのだが、グリーンには大きなアンジュレーションがつけられているうえ、グリーン周りの芝も長さや芝目が場所によって変えられている。さらにバンカーにはサラサラの人工砂が敷き詰められていて、バンカーショットの技術も必要だ。

レーザーを使ってボール位置を特定

グリーンエリアに入ると、グリーン上空に設置された機械からレーザーが照射されて、ボール位置を指定。そこからプレーを再開する

各グリーンには7カ所のカップ位置が設定されていて、日によって位置が変わり、難易度もがらりと変わる。カップインするとグリーン横に設置された端末にキャディがスコアを入力してくれて、次のホールに進む。アウトとインの2方向からスタート可能だが、各ホールがシステムによって連動していて、次のホールに進むと現在のスコアが表示される仕組み。ショットガンのように途中のホールからスタートすることはできない。

今回は18ホールをスルーでプレーしたが、4人1組のラウンドで約4時間。初めての人工芝グリーンでかなり苦労したことを考えれば、慣れればもう少し短い時間でラウンドできるだろう。キャディによると、「初心者はグリーンで手こずる人が多いので、実際のゴルフ場より5打くらいスコアが悪くなる人がほとんど。ただ慣れている人だと、同じくらいか実際よりいいスコアで回ってくる人が多いです」とのこと。

ラウンドする前は一般的なシミュレーションゴルフの延長だと思っていたが、実際にラウンドしてみると、かなりリアルで面白い。移動時間もプレー時間も短くて済むし、何より天候や気温を気にしなくていいのがうれしい。もし日本の都心部にできたとしたら、料金次第ではあるが通ってみたいと思ったし、ブームになりそうな気がした。

手押しカートで移動
基本はキャディ付き

キャディフィーは1人170元(約3400円)で、社員として8人のキャディが在籍。彼らには基本給にキャディフィーを上乗せした額が給料として支給されるという

ティーショットなどを打つショットブースに設置されたGOLFZONの最新シミュレーションゴルフ「TWOVISION NX」は綺麗なグラフィックで風や雲の動きまで再現。足場とボール位置のプレートが独立して動くことで、画面上のライを忠実に再現。バンカーやラフは抵抗のあるパレットから打つが、フェアウェイから打っても芝の抵抗を自動的に計算して飛距離を落としてくれる

ココがリアル①
人工芝でも入念にメンテナンス

グリーン面もローラーをかけることで速さを微妙に調整。本物のゴルフ場のように日によって全く違うグリーンに仕上がるという

ココがリアル②
芝には順目と逆目がある

グリーン周りの芝も人工芝だが、場所によって長さの違う芝が採用されていたり、順目と逆目を意図的に作り出しているので簡単ではない

ココがリアル③
バンカーはサラサラの人工砂を採用

少し軽く感じたが、リアルなバンカーが再現されている。ショットをするとグリーンに砂が飛び散るが、毎日スタッフが綺麗に掃除して元に戻している

ココがリアル④
7カ所のカップ位置が用意

グリーンには7カ所のカップ位置が用意されており、日によって位置が変わる。本物のゴルフ場のように、その日行ってみないとどこにカップがあるのかわからない

週刊ゴルフダイジェスト5月27日号