Myゴルフダイジェスト

京都、日本海、桜。ニッポンの美が満開のシーサイド「久美浜CC」(京都府)

名設計家R.T.ジョーンズJr.は日本を「ヤマランド」と呼び、日本のゴルフは山麓でプレーするものと言った。そんな日本の素晴らしいコースを再発見していく連載「ヤマランドニッポン」。今回は、京都府の「久美浜CC」をご紹介!

PHOTO/Yasufumi Sakagami TEXT/Mika Kawano

2番・512Y・パー5
左手に久美浜湾が広がる右ドッグレッグのパー5コース脇に桜が咲き誇り、海越しに神々等山を望む

シーサイドにも山の絶景あり

丘陵コースでもなければ山岳コースでもない。海とほぼ同じレベルに広がる美しいシーサイドコース、それが京都府京丹後、久美浜湾に沿って佇む久美浜カンツリークラブである。

これまで紹介してきたヤマランドの概念を覆すようだが、久美浜湾を左手に見る2番パー5からは、この季節咲き誇る桜と湾を隔てた向こうに左右対称に裾野を広げる神々等(じじら)山が鎮座。愛らしい山姿を愛でることができる。やはりここもまた日本ならではのヤマランドなのである。

設計を手掛けた佐藤健は60年以上前に城陽CCや田辺CCを設計した佐藤儀一の長男で、73年開場の久美浜カンツリークラブはいまや関西を代表するシーサイドとして名を馳せている。

アウトは2番から7番まで湾に沿って進むが、フェアウェイが海に向かって傾斜するなど美しい景色とは裏腹に引っかければ有無をいわせず打球は海へ、あるいは砂浜のバンカーへと吸い込まれる。3番パー4や6番パー3では海越えのショットを放つ醍醐味を味わうことができる。“日本のペブルビーチ”といわれる由縁である。対照的にインは山側の地形を生かした山と林のコース。起伏が多くショットの精度が求められる。

京都、日本海、そして桜。雅な春を満喫できること間違いない。

久美浜CC
18H・6551Y・P72

週刊ゴルフダイジェスト2021年4月6日号より