温泉だけじゃない! 霊峰・高縄山と瀬戸内海を見渡せる「道後GC」(愛媛県)
名設計家R.T.ジョーンズJr.は日本を「ヤマランド」と呼び、日本のゴルフは山麓でプレーするものと言った。そんな日本の素晴らしいコースを再発見していく連載「ヤマランドニッポン」。今回は、愛媛県の「道後GC」をご紹介!
PHOTO/Kenji Kobayashi TEXT/Mika Kawano
冬は橙色、夏は新緑がまぶしいみかん畑に囲われたコース
愛媛県松山市、奥道後自然公園に指定されている高縄山を望む丘陵地に道後ゴルフ倶楽部がある。眼下に松山城、遠くに瀬戸内海を見渡す好立地で道後温泉からもっとも近いコースとして知られている。
みかん畑に囲まれた18ホールは1968年開場、建築家でもある間野貞吉の設計。間野は神奈川県にある戸塚カントリー倶楽部東コースのデザインを出がけており、日本ではじめてゴルフ場設計で博士号を取った人物である。
道後ゴルフ倶楽部では、距離はたっぷりあるが樹々でセパレートされた、フェアウェイの幅をゆったりと取った伸び伸びとプレーできるコースを造り上げた。ただしグリーン周りはバンカーや池が巧みに配され一筋縄ではいかない。グリーンの微妙なアンジュレーションもクセモノ。94年から98年にかけ女子ツアーの健勝苑レディスの舞台にもなっている。
コースを俯瞰から見るとかつてそこがみかん畑だったことがわかる。古くから信仰の対象だった霊山・高縄山には、ほどなく緑萌ゆる季節がやってくる。冬は橙色のみかんがたわわに周囲を彩ったが、これからあっという間に新緑がまぶしくなる。1年を通して山の表情を楽しめる。まさにここはヤマランドだ。
道後GC
18H・6708Y・P72
週刊ゴルフダイジェスト2021年3月2日号より