発生から1年。「コロナ慣れ」していませんか? ゴルフでの感染対策を再確認
PHOTO/Yasuo Masuda
新型コロナの感染拡大が日本でも大きな問題となってから1年以上が経過し、マスクを着用する生活が当たり前となったが、その一方で「コロナ慣れ」を危惧する声が小誌に寄せられた。
ゴルフ施設だけは
利用者が前年よりも増えている
ゴルフは屋外スポーツであり、広大な敷地のなかを最大4名という少人数のグループでプレーするので密になりにくく、感染の危険性が比較的低いということから、コロナ禍において世界的に人気が高まりつつある。
そうしたゴルフ人気の高まりは、日本も例外ではない。まずは折れ線グラフを見ていただきたい。これは、経済産業省が公表している施設別の利用者数の統計データである。利用者が前年比でどれだけ増減したかを表している。
昨年の2月時点では、どの施設でもコロナの影響はそれほど大きくはないが、3月に入ると影響が一挙に拡大。緊急事態宣言が発令されていた4月、5月になると“壊滅的”な打撃を受けていることが容易に読み取れる。「フィットネスクラブ」では、3月は前年同月比で25.6%減だったのが、4月、5月はそれぞれ82.2%減、95.4%減と大きく落ち込んでいる。「遊園地・テーマパーク」では3月から94.4%減と影響が拡大し、4月に98%減、5月も97.4%減となっている。
そうした施設と比較すると「ゴルフ場」や「ゴルフ練習場」は、“健闘している”と言えるだろう。緊急事態宣言下にあった4月・5月は3割前後の落ち込みが見られるが、ゴルフ練習場では7月には前年同月比でプラスに転じており、その後は9月を除いて2桁増加と回復が顕著だ。ゴルフ場も8月に2桁増加を記録し、年末にかけて3カ月連続でプラスを維持している。他の施設と比較するとゴルフ場とゴルフ練習場の回復傾向が際立っていることがわかる。
年が明けて1月になり再び緊急事態宣言が出されたが、都内の大型練習場の駐車場には平日でも多くのクルマが停められていた。入口には、マスク着用や打席は1人だけで使用することを告げる係員がおり、ゴルフショップでも、入口に使い捨てのビニール手袋が置かれていて着用を義務付けているところもある。感染対策を万全にした上でゴルファーを迎えることが定着しているように感じていたのだが、小誌に読者から「最近、感染対策がおろそかになっているゴルファーがいるので注意喚起してほしい」という声が届いたので、改めてゴルフにおいて注意すべきことをおさらいしておこう。
注意すべきはレストランでの食事
食事中の会話はできるだけ控えよう
コロナ禍において、ゴルフが見直され新たにクラブを握る人が増えている。だからこそ、みんなが安全にプレーするために感染防止対策は万全を期したい。
日本ゴルフ場経営者協会と日本パブリックゴルフ協会では、ゴルフ場を運営する立場からの感染防止ガイドラインを発信しているが、そのなかの「プレーヤーに協力を要請する『新型コロナウイルス感染防止策』」は、ゴルファーに大いに参考になる内容なので、その要約を掲載した。
日本ゴルフ場経営者協会&日本パブリックゴルフ協会の
「新型コロナウイルス感染防止ガイドライン」の主な内容
●発熱、倦怠感や息苦しさ、咳、痰、胸部不快感、臭覚・味覚に異常があると感じた場合はプレーをしない。感染が疑われる人が身近にいる場合、過去14日以内に海外へ渡航した場合はプレーをしない
●クラブハウス内ではマスク着用、プレー中もマスク携帯
●入場時、昼食時、プレー終了後は「手洗い・手指消毒」
●ロッカールームや浴室、浴槽、複数人でのプレー中は「身体的距離」を確保
●プレー中に発熱等が生じた場合はプレーを中断
●乗用カートでは会話を控えるかマスク着用
●プレー後に感染が発覚した場合はコースへ連絡する
この内容に加えて、さらに注意したいポイントは、レストランの利用の仕方だ。スループレーや、レストランを利用しない人もいるだろうが、ゴルフ場のレストランを利用する人は今も多いだろう。2度目の緊急事態宣言で感染防止の重要ポイントとして挙げられたのが、飲食店だ。食事をする際はマスクを外さざるを得ないので、注意が必要ということだが、これは何も市中の飲食店に限ったことではなく、ゴルフ場でも感染の危険性は変わらない。
席についても料理がテーブルに運ばれて来るまではマスクを着用し、食事をするためにマスクを外したら会話は控えることを徹底したい。当たり前のことではあるが、前半のプレーを振り返ってたわいもない会話をするのもゴルフの楽しみのひとつであることも事実。とくにお酒が入るとつい忘れがちになることもあるので、しゃべるならマスクを着用、食べるなら会話を控えることを、一緒にプレーするゴルフ仲間の間でも徹底することを心掛けたい。決して「コロナ慣れ」せずに、細心の注意をしてゴルフを楽しもう。
週刊ゴルフダイジェスト2021年3月2日号より