“旗竿”のことを「ピン」と呼ぶのはなぜ? 【明日使えるゴルフ用語】
普段当たり前のように使っているゴルフ用語だが、その成り立ちや意味を問われたときに、正しく返せるだろうか? ここではラウンド中の会話やゴルフ仲間とのやりとりで使える、ゴルフ用語にまつわるうんちくを紹介する。
ピン【Pin】
カップの位置を示すためにグリーン上に立てられた旗竿のことを「ピン」と呼ぶ。ゴルファーなら誰もが知っているこの言葉だが、なぜ「ピン」なのか。ピン(pin)は通常「留め針」「飾りピン」などを意味し、旗竿(flagstick)とは形状的にも結びつかない。
諸説あるが、有力なのは、かつて本当に「ピン」のような形状だったという説。19世紀の終わり頃、風雨で旗がボロボロになるのを防ぐため、ワラや柳の木をカゴ状に編んだもの(=ウィッカーバスケット)を、旗の代わりにつけるようになった。その見た目が、当時の女性が帽子につけていた留め針に似ていることから「ピン」と呼ばれるようになったのだという。
2013年に全米オープンが開催されたメリオンGCでは、実際に当時の「ピン」を模したものが旗竿の代わりに用いられている。この形状を見ると、たしかに「ピン」に違いない。ただ、風に強いのはいいが、旗のようになびかないため、風向きが分かりにくいという難点も。結局ピン型のピンは定着することなく、名前だけが残ったというわけだ。
ピンの長さに決まりはない?
「ワンピンに寄せた」などという言い方をすることがあるが、実際にワンピンの長さがどれくらいなのか、ご存じだろうか。実は現在の「用具規則」には、旗竿の長さに関する記載は存在しない。ただ、以前の規則では「7フィート(約2.13メートル)以上」のものが推奨されていたことから、実際には8フィート(約2.44メートル)前後のものが使用されるケースが多いようだ。
また打ち上げのホールでは、セカンド地点からピンが見えにくいため、通常より長いピンが使われることが多い。たとえばほけんの窓口レディースが開催される福岡CC和白コース9番ホールでは、セカンド地点から21ヤードも高い位置にグリーンがあるため、4メートル近い長さのピンが使われている。
ルールの改訂により、パッティング時でもピンを抜く必要がなくなったため、ピン持つ機会はほとんどなくなったが、ラウンドの際はぜひピンの“長さ”にも注目してみてもらいたい。