【名物ホールでいつかバーディ】Vol.21 誰もが息をのむ絶景ホール! 「川奈ホテルGC富士コース」15番パー5
かつてチョイス誌の編集長も務めたゴルフコースのスペシャリストが日本全国の名物ホールをレポート。今回紹介するのは、静岡県にある川奈ホテルゴルフコースの富士コース15番ホール。
【名物ホールFile 21】
川奈ホテルゴルフコース
富士コース 15番ホール
480Y Par5
「世界ゴルフ100選」の常連コース
スリル満点の15番はその象徴
1930年の暮れに東京GC朝霞コース設計のために来日したC・H・アリソンは、帝国ホテルの大倉喜七郎男爵に建設中だった川奈コースの視察を依頼され、廣野GCの設計で関西に赴く途中、同地に立ち寄った。すでに大谷光明設計の大島コースは完成していたが、建設中の富士コースは、アリソンの手によって全面的に設計されることになった。
アリソンの帰国後に米国から送られてきた図面により、富士コースは1936年に完成。優れているとされるのはルーティングで、打ち下ろしで海に向かい、打ち上げで内陸に、再び海に向かうというように各ホールがバラエティに富んでいる。どのホールも個性的で印象深いが、なかでも豪快に打ち下ろしていく15番ホールは最も有名なホールといえる。
距離は480ヤード、レギュラーからでは470ヤードになり、距離的には2オンも可能だが、フェアウェイには大きく波打つような起伏があり、2打目地点からは打ち上げのためグリーン上のピンを視認することはできない。
太平洋の海原と伊豆諸島の島影を眺めた後、ティーショットに挑む。狙いは右に見えるバンカー。落下地点のフェアウェイは海に向かって左傾斜しているため、かなり右に打ち出したつもりでも転がってOBになることもある。パー5としては短いが一瞬たりとも油断のできないホールで、叩くことが多い。ここでバーディを取る日はいつになるのか……。
ランチは大女優が愛したオムライスを
ランチは「オムライス」がおすすめ。マリリン・モンローが1954年に新婚旅行で滞在したときに2回食べたことでも有名。サラダ、デザート、コーヒー付きで3400円
川奈ホテルゴルフコース 富士コース
静岡県伊東市川奈1459
15番ホール/480Y/Par5、18H/6701Y/P72
コース設計 / チャールズ・H・アリソン
文/吉川丈雄
特別編集委員。1970年代からアジア、欧州、北米などのコースを取材。チョイス誌編集長も務めたコースのスペシャリスト。現在、チョイス誌ベスト100選考委員、日本ゴルフコース設計者協会名誉協力会員としても活動
月刊ゴルフダイジェスト2023年1月号より