もともとは22ホールだった!? スコットランドらしいお洒落な説も。1ラウンドが「18ホール」になった理由【ゴルフの数字】
4人一組、1ラウンド18ホール、パー72……ゴルフにまつわるいろいろな数字。知らなくてもゴルフはできるけど、知っていればゴルフがもっと楽しくなる! 当たり前のように受け入れているゴルフの数字にまつわるエピソードをご紹介。今回は1ラウンドがなぜ18ホールになったのかをひも解いていこう。
きっかけはセントアンドリュース
ゴルフコースの多くは「18ホール」で構成されている。なかには9ホールや27ホール、36ホールを有するゴルフ場もあるが、1ラウンドの基準は18ホール。でも、なぜ16でも20でもなく18なのか。その理由は諸説あるが、最初に18ホールが採用されたのは有名なセントアンドリュース・オールドコースだと言われている。
当初、ゴルフ場のホール数に決まりはなく、7ホールのコースもあれば12ホールのコースもあるという具合に、コースごとにまちまちだった。
オールドコースも、もとは12ホールからなるコースだった。「ホール」というと、現在では1打目を打つティーイングエリアからカップのあるグリーンまでを「1ホール」と呼ぶが、もともとの意味は文字通り「穴」。つまり12ホールのオールドコースには、12の穴が開いていた。
12の穴は海岸沿いに一列に並んでおり、クラブハウスに一番近いところにある穴を「1」とすると、スタートでは「1」の穴のある地点から「2」の穴に向かって打つことになる。「2」の穴にボールが入ったら、そこから2クラブレングス以内のところに砂を盛ってティーアップし、「3」の穴に向かって打っていく。そして「4」の穴、「5」の穴……とホールを進め、クラブハウスから最も離れた「12」の穴に入れたら、そこから折り返して再び「11」の穴を狙っていく。そして最後に「1」の穴に入れてフィニッシュ。
少々分かりにくいが、要するにクラブハウスから出発するゴーイングアウトで11ホール、折り返して戻ってくるカミングインで11ホール、計22ホールで1ラウンドというのが当初のオールドコースのスタイルだったわけだ。
ところがのちにセントアンドリュースのメンバーから、最初の4ホール(=最後の4ホール)が短すぎるという声が上がり、4ホールを2ホールに統合(1764年)。これにより、アウト9ホール、イン9ホール、計18ホールという現在のひな型が完成した。
他のコースもこれにならい、「1ラウンド18ホール」を取り入れたことで、18ホールが一般的になったと言われている。
ボトルが空になるのが18Hだった?
1ラウンドが18ホールになった起源のひとつに「ウイスキー説」というものもある。
ゴルフ発祥の地スコットランドといえば、ウイスキー。寒風吹きすさぶリンクスでは、ウイスキー片手にラウンドすることが好まれた。そして持ち運ぶウイスキーのボトルが空になるのが、ちょうど18ホール目だったというのだ。人によって飲むペースはまちまちなので、必ずしも18ホールで空になるとは考えにくいが、スコットランドらしい洒落たエピソードであり、まことしやかに語り継いでいきたいうんちくである。