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【名物ホールでいつかバーディ】Vol.20 フェアウェイの大木が戦略性を高める!「太平洋クラブ八千代コース」8番パー4

かつてチョイス誌の編集長も務めたゴルフコースのスペシャリストが日本全国の名物ホールをレポート。今回紹介するのは、千葉県にある太平洋クラブ八千代コースの8番ホール。

【名物ホールFile 20】

太平洋クラブ八千代コース 8番ホール
367Y(Aグリーン) PAR4

60年の時を経て近代的に生まれ変わったスループレーコース

昭和36年9月に開場したコースは、長い間パブリックコースとして運営され、多くの市民に愛されてきた。コースを設計したのはプロの安田幸吉。安田は大正6年に東京GC駒澤コースのキャディマスターを経てプロになった日本人プロの先駆者のひとりでもある。

安田の手掛けたコースの特徴は、地形に沿って造られ、奇をてらった部分もなくゴルファーに安心感を与えてくれる仕上がり。「下手な人でも楽しめるように」というのが設計理念だった。開場時は全長が6023ヤードだったが、2020年4月に井上誠一最後の弟子といわれる嶋村唯史により6251ヤードに延び、細部にわたり近代化が施された。

いつも思うのは、安田幸吉デザインのコースは実にプレーしやすいということだ。すべてが基本的であり、外国人設計者のような”おもちゃ箱をひっくり返した”ような仕掛けや嫌みがない。嶋村の改造もそれに沿い、やはりプレーしやすい。

8番ホールは367ヤード、ほぼフラットでフェアウェイも十分な幅があり、思い切りティーショットが打てる。だが、1打目のポジショニングを誤るとフェアウェイ左寄りにある大木がスタイミーになり、左のAグリーンは狙いにくくなる。1打目の狙いはやや右寄りが正解だ。

改造によりさらにプレーしやすく、練習環境も十分に整えられた。都心から約40分、千葉北ICからわずか10キロというロケーションは、一日を有効に使いたい人には嬉しい限りだ。

ミシュランの味が堪能できる

ランチはミシュランガイドに選ばれている中華の名店“桃ノ木“による「黒酢の酢豚」がおすすめ。ゴルフ場のそれとは思えない味が楽しめる

太平洋クラブ 八千代コース

千葉県八千代市米本28
18H/6251Y/P72 
コース設計/安田幸吉 改造/嶋村唯史


文/吉川丈雄

特別編集委員。1970年代からアジア、欧州、北米などのコースを取材。チョイス誌編集長も務めたコースのスペシャリスト。現在、チョイス誌ベスト100選考委員、日本ゴルフコース設計者協会名誉協力会員としても活動


月刊ゴルフダイジェスト2022年12月号より