【林家正蔵の曇りのち晴れ】Vol.275「縁起のいいゴルフも流れる」の巻
先日の雪はすごかったですね。実は雪の予報の次の日の1月7日にゴルフへ行く予定だったのですが、雪が積もる予報だったのでまさかの中止。新年初打ちはいつも7日の7時7分で7名と縁起を担いでいるのですが、残念。天気はしょうがないことなので諦めました。みなさんは初打ちはもう済ませましたか?今年はいっぱい行けるといいな
ILLUST/アオシマチュウジ
年始のお楽しみは京風?
それとも関東風?
東京に初雪が降ったのは、年明けの6日目。木曜日のことだった。毎年の恒例、年始めの7日目、つまり七草の日には、ゴルフ始めをするのが仲間内での決め事になっている。
当然、コロナの第6波と言われているので、人数もバラバラにして、大人数でパーティーを開いての飲食などはなしでコンペというよりは、なんとなく集まり、マスクをして挨拶するという万全の対策でゴルフをしようということになっている。今年で3回目の新春初打ちゴルフになるが、毎年のごとく楽しみにしている行事のひとつだ。
仲間がメンバーのそのコースは、朝食に洋定食、和定食は通常通りにあるのだが、新春に限り特別メニューが用意されている。まずはお雑煮とおせち。このお雑煮も関東風と京風の2種類に分かれている。四角のおもちが焼いてあり、そこにおかか出汁に小松菜、鶏肉、しいたけ、ナルトが入っている。いわゆる江戸風のお雑煮。
京風は、白みそを使ったもの。甘いながらもコクがあり、寒い日でもとても体が温まる。東京の下町に育っているので、初めは抵抗があったものの、上方出身の友人に勧められて食したら、こいつは旨いと、ほぼここのところ毎年京風のお雑煮にしている。関東風とは打って変わって餅も丸く、しかも焼かずに食するのも一興である。
おせちは一口サイズのかまぼこ、伊達巻き、ごまめ、昆布巻き、黒豆、栗きんとん。どれも旨い。
もうひとつは七草粥だ。せり、なずな、ごきょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろを細かく刻んで地元のお米で粥にする。年末年始に何もせずに食べては寝てを繰り返したことによる、くたびれた体には、もってこいである。
粥自体には、薄く塩味がついているのだが、塩こぶ、紀州梅、たくあんのほかに、好みでとろみのついただし汁が添えられているので、ついついおかわり自由に甘えて、3杯くらいスタート前にお腹の中に収めてしまう。
縁起を担いだ初打ちは7そろい……
スタートは、毎年トップスタートの午前7時7分と決めている。1月7日の午前7時7分。しかも予定では、前半組が3人、後半組が4人の組み合わせ。つまり友人が7人集まり七福神というのが決まりである。
仲間のなかには、飲食、トラベルの起業者もおり、コロナでひどい目に合ったので、せめて縁起を担ぎたいと、この日のコンペを楽しみにしていた。
ところが、前々日の天気予報でまさかの雪だるまマークがつき、関東南部では小雪が夕方あたりからチラチラと降りそうだとのこと。しかし、積もることはなさそうだという。ゴルフには影響が出ることはなさそうなのでひと安心。
前日に雪が降ったら交通機関の乱れもあり、まして友人のコースは千葉県だから、都内よりも積雪がいつもキツイと聞いている。まぁ少しばかりならば問題ないだろうと思い込み、またひと安心をする。
前日になるとがらりと予報も変わってきて、6日は夕方から雪が降るとのこと。しかも南部から千葉のあたりでも夕刻から降りだし、1センチぐらいの積雪ありと変わった。
おいおい、積もると初打ちのゴルフも中止になるかもと思っていたら、予報は悪いほうに傾き、昼過ぎ、午後1時前には都内でもシンシンと雪が降り始めた。
ゴルフの中止の代わりにオンライン
初笑いの顔見せ興行。上野と浅草の高座の間に、楽屋を出ると傘を差さないと歩けないほどの雪が降っている。合間にコーヒーショップに入り、ツナチーズのトーストとホットコーヒーで雨宿りならぬ雪宿り。白い雪がチラチラ、チラチラと降り続ける
雪やこんこん、あられやこんこん。雪の粒も時を追うごとに大粒になってくる。上野広小路を行き交う人々は、コートの襟を立てて足早に過ぎ行く。お正月の雪は何年振りだろう。
やけどしそうなくらいのツナチーズトーストが嬉しい。ホットコーヒーで暖を取る。店内のエアコンは効いているのだろうが、入ってきたばかりの凍える体は、寒さで足がブルブル震えている。
通りの向こうの植え込みの緑もいつの間にか、白の綿ぼうし。携帯が震えて友人からのメール。「明日のコンペは中止。2月3日の節分に変更」とのこと。
その日はあいにく仕事が入っているので、明日オンラインの飲み会をしようと言う。1月7日の午後7時7分からスタート。あー。オンラインの仕方が分からない。散々な年始め。
本年もよろしくお願い致します。
7そろい 縁起ゴルフは 雪解けに
月刊ゴルフダイジェスト2022年3月号より