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名門「パインバレー」が女性メンバー受け入れへ。他クラブはどう動く?

“世界最高のゴルフコース”とも評されるパインバレーGC(ペンシルベニア州)が、ついに女性メンバーを受け入れることになった。

4月末、クラブのジム・デービス会長が「パインバレーゴルフクラブの理事とメンバーが、満場一致で私たちの定款から性別に関する言葉を取り除いたことを誇りを持って報告します」とメンバーにメールを送った。これにより、108年に及ぶ男性だけのクラブのポリシーに終止符が打たれることが明らかになった。

7181ヤード、パー70。米ゴルフダイジェスト誌が「アメリカのベスト100コース」のトップに、米ゴルフマガジン誌も「世界のコース」トップにランク付けするパインバレーGC。

今回の女性メンバー受け入れで、今後は全米オープンなどのビッグイベントの開催が可能となり、知名度はますますアップするかもしれない。

スケジュールとしては、メンバーによる推薦・審査などを経て、今年中には女性メンバーが誕生することになる。実は、今回のポリシー変更のニュースが与える影響は小さくない。というのも、シカゴのバトラーナショナルやメリーランドのバーニングツリークラブなど、数は少ないが、アメリカにはまだ男性だけの“名門クラブ”が残っているからだ。そしてそうしたメンズクラブのメンバーは、重複して他の有名クラブのメンバーになっているケースが多い。たとえば9年前に初の女性メンバーが誕生したオーガスタナショナルのメンバーがパインバレーのメンバー、ということもある。すでに女性を受け入れているオーガスタナショナルのメンバーが、パインバレーでの女性受け入れに反対するケースは考えにくく、こうした流れからも、今後、確実に男性だけのクラブがなくなる方向にあると言えるだろう。

とはいえ、“真のプライベートクラブ”なら、メンバーが男性だけでも問題ない。たとえば、スコットランドのセントアンドリュースゴルフリンクスには、このパブリックコースをホームにしたクラブがR&Aだけでなくいくつか存在するが、R&A以外は基本的には仲間同士の集まりのプライベートクラブ。“男性だけの集い”を開いて問題はない。しかし、ここにゴルフコースの経営やトーナメントなどのビジネスが絡んだり、優遇税制を受けていたりすれば話は別、となる。

週刊ゴルフダイジェスト2021年6月1日号より