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【名手の名言】フランク・テイタム「世界の一流選手たちに恥をかかせようというのではありません。ただ見分けようとしているだけです」

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回はUSGA会長も務め米ゴルフ界に多大な功績を残したフランク・テイタムの言葉をご紹介!


我々は世界の一流選手たちに
恥をかかせようというのではありません。
ただ見分けようとしているだけです

フランク・テイタム


フランク・テイタムは1978~79年、USGA(米国ゴルフ協会)の会長を務め、冒頭の言葉は全米オープン会場での挨拶の一節だ。

全米オープンは世界一の実力を競うといわれ、パワーだけでも技術だけでもなく、強い精神力など総合力においていちばん優る者を選ぶメジャーとして位置づけられている。そのために主催者であるUSGAでは、その舞台にふさわしいセッティングをコースに課する。

ラフの長さからグリーンの速さまで具体的にセットする数字が並ぶ。そのコンセプトは「パープレーをもって優勝スコアとする」である。だから用具の進化などによってやさしくなったコースのセットも、時代に応じて変えていくのは無論のことだ。

例えば2006年はラフのサードカットの幅を広げた。曲がる度合いに応じてラフの長短の罰を与えるのだが、中途半端に曲がるよりギャラリーの踏みしめたところまで曲がったほうが有利になるとの不公平をなくすための措置である。ちなみに2006年の優勝者ジェフ・オルグビーのスコアは5オーバーだった。オーバーパーでの優勝も決して珍しくはなかった。

1974年、テイタムは選手権委員会の委員長として全米オープン選手権のコース設営に携わった。ウィングドフットGCで開催されたのだが、コースの難しさから「プロたちはほぼ全員が、私たちがやろうとしているのは彼らに完全な屈辱を与えることだと思っていた。控えめに言っても、非常に物議を醸した」と語った。

このときにテイタムが語ったのが表題の言葉。時のUSGAのトップがこのメジャーの性格を挨拶で応えたのだ。

■フランク・テイタム(1920~2017年)

スタンフォード大学、オクスフォード大学で法を学んだ後、プロのゴルフに挑戦できるほどの実力があったにもかかわらず、法律事務所で別のキャリアの道を選んだ。72年にUSGAのチャンピオンシップ委員会のメンバーに選ばれ、主にコース選定、セッティングを担当。全米オープンの世界的テレビ配信にも寄与。1978年と1979年にUSGA会長を務め、1972年から1980年にかけてはUSGA執行委員会のメンバーだった。また、サンフランシスコ大学の顧問弁護士やサンフランシスコ市および郡の最高行政責任者の特別顧問も務めた経歴の持ち主。