【名手の名言】デビッド・ロイド・ジョージ「ハンディ30の人はゴルフを疎かにし、ハンディ20の人は家庭を疎かに…」
レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は第一次世界大戦中に首相を務めたイギリスの政治家、デビッド・ロイド・ジョージの言葉を2つご紹介!
ハンディ30の人はゴルフを疎かにし
ハンディ20の人は家庭を疎かにし
ハンディ10の人は仕事を疎かにする
そしてハンディ5の人は、すべてを疎かにする
デビッド・ロイド・ジョージ
デビッド・ロイド・ジョージは、イギリスの伝説的政治家で第一次世界大戦中の首相として歴史に名を残している。弁舌が巧みでカリスマ性があり、演説でも人々を引きつけたロイド・ジョージは、ゴルフに関する機知に富んだ名言も数多く残している。そのひとつが表題の言葉。ゴルフが上手い人ほど、家庭に、仕事に、多くの犠牲を割いているといえ、逆にそうでなければ今よりハンディを減らすことはできないということか。すべてを両立することがいかに難しいかは、ゴルファー自身が身に沁みてわかっていることだろう。
次の言葉もロイド・ジョージのもの。少し長いが引用してみよう。
「ゴルフはいちばん下手な者がいちばん得をする唯一のゲームだ。下手なほど多く練習ができ、多く愉しむことができる。なぜなら上手いプレーヤーはわずかなミスにもくよくよするが、下手な者はくよくよするにはあまりにミスが多すぎて、その時間がない」
これもまた、説明は要しないだろう。
わたしが最も尊敬するゴルファーは誰あろう
エジプトのスフィンクスだ
2000年になんなんとする間、バンカーにいながら
泣き言ひとつと言わんじゃないか
デビッド・ロイド・ジョージ
ロイド・ジョージは政治家としてはいまだに毀誉褒貶相半ばし、歴史的評価は定まっていないようだが、諧謔に富んだジョークは一流と評価されている。
もう一人のゴルフ好きの宰相、ウィンストン・チャーチルはナチスドイツの野望を砕き、故国を救った英雄としていまも崇拝されているが、ゴルフでの名言は残しているだろうか?
いわく「ゴルフが道連れの人生は決して退屈することがない」とゴルフを礼賛している。また「コースでモタモタするやつは、何をやっても失敗する」とスロープレーヤーをなじってもいるが、皮肉と諧謔にかけてはロイド・ジョージのほうが一枚上手だ。
チャーチルはノーベル文学賞も取っていて文言を操るのは自家薬籠中の物とも思えるのだが、ここにはやはり、貧しい階級出身のロイド・ジョージと、貴族出身のチャーチルの差があると思うのはうがち過ぎだろうか。
■デイビッド・ロイド・ジョージ(1863~1945年)
イギリスの第一次世界大戦の政治家。困窮から大学ヘもいかず、弁護士で身をおこし下院議員から蔵相、ついには首相の座へのぼりつめた。日本もモデルにした健康保険など、社会保障制度の礎を築いた。反面、首相の地位を利用して財を成し、ヒトラーを評価し、巧みな弁舌で大衆を鼓舞して大戦を乗り切り、ポピュリストともいわれた。一匹狼で女性関係も華やか。ゴルフ好きではあったが、100を切るのがやっとで、ハンディは20を切ることがなかったと言われている。