【名手の名言】サム・スニード「キャディがクラブを渡すときの握りの強さがグリップの理想」
レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は、天性の美しいスウィングで82もの勝ち星を重ねたサム・スニードの言葉を2つご紹介!
キャディがクラブを渡すときの
握りの強さがグリップの理想
サム・スニード
グリップの、握りの強さについての至言である。「グリップはスウィングの基本である」と長年言われ続けてきたし、今もそう言う人は多い。
そしてグリップの形は見えるから、具体的に語られるのだが、握りの強さにおいては、人それぞれの感覚なので、基準がはっきりしない。強く握るのが、柔らかく握るのがどれくらいなのか、数値ではっきり示されないので、さまざまなことが言われてきたのだが、スニードのこの言葉によって、具体性がでてきたわけだった。
また続けてスニードは、「小鳥を両手で包み込むぐらいの強さ」とも表現した。つまりはソフトに握れということなのだ。別の人は、雨の日に傘を持つほどの強さとも言った。
あるインストラクターは「アマチュアには、グリッププレッシャーはギュッと握ったのを10とするなら、3~4が適当と言ってきたが、それでも直らないので今は1にしなさいと指導している」と言っていたが、やはり多くのアマは強く握りすぎていることの証左であろう。
強く握りすぎるとなぜいけないか? それはスムーズなスウィングがつくれないからである。強く握ることで、クラブを振ることのブレーキとなってしまうからである。 ボーン・スウィンガー、生まれながらにして流麗なスウィンガーと言われた天才・スニードが辿りついた結論だけに、圧倒的な説得力をもって今に伝わるのである。
私はこの世で怖いものが3つある
雷、ベン・ホーガン、そして
下りのスライスラインのパットだ
サム・スニード
スニードは、生まれながらにして絹のような滑らかなスウィングを持っていると言われた。
それを武器にして82勝。今日ほどツアー数のない時代の82勝だから今よりも価値は高い。
しかし、スニードにとって痛恨の極みは、全米オープンに勝っていないことだ。そのためグランドスラマーという称号だけは逸しているわけだ。
スニードは全米オープンで2位になること4回。1947年にはプレーオフで敗れている。
そして最後のチャンスだと思われた1953年は、稀代のショットメーカーと謳われたベン・ホーガンの前に敗れ去ったのだ。憎きはホーガンである。
パットで悩み始めた頃でもある。イップスに襲われたのである。そこでサイドサドル・スタイルのパッティングを考案したが、イップス病を完全には克服できなかった。 冒頭の言葉はこの頃に発したのだろうが、ジョークのなかにもスニードのため息が聞こえる。
■サム・スニード(1912~2002年)
米国バージニア州生まれ。父が勤務するコースのキャディとしてゴルフを覚え、奨学金で大学へ。20歳プロ入り。23歳米ツアー参戦。以来82勝を積み上げた。メジャーは全米プロ3勝、マスターズ2勝、全英オープン1勝しているが、全米オープンは2位どまりで、グランドスラムは逃している。その華麗なスウィングは「ボーン・スウィンガー」といわれ、世界のゴルファーの羨望の的だった。また、世界各地に積極的に出かけ、ゴルフの普及につとめ、「ゴルフ親善大使」と呼ばれた。
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