マスターズ伝統の「オナラリースターター」による始球式。いつ、誰が始めた?【明日使えるゴルフ用語】
普段当たり前のように使っているゴルフ用語だが、その成り立ちや意味を問われたときに、正しく返せるだろうか? ここではラウンド中の会話やゴルフ仲間とのやりとりで使える、ゴルフ用語にまつわるうんちくを紹介する。
オナラリースターター【honorary starters】
マスターズは、4大メジャーの中でも開催コースがオーガスタナショナルGCに固定されている特殊な大会。そんなマスターズの伝統のひとつに「オナラリースターター」(名誉スターター)による始球式がある。
マスターズの開幕を告げる恒例行事で、初日の第1組がティーオフする前に行われる。今年は、昨年に続きジャック・ニクラウス、ゲーリー・プレーヤー、トム・ワトソンの3人が大役を務める。
マスターズでオナラリースターターの伝統が始まったのは、1963年。最初のスターターはジョック・ハッチンソンとフレッド・マクリードだった。
マスターズには勝っていないハッチンソンとマクリードがなぜ最初のスターターに選ばれたかというと、オーガスタナショナルGCで行われた2回のシニアPGA選手権のチャンピオンだからである(ハッチンソンは1937年優勝、マクリードは1938年優勝)。マスターズの生みの親であるボビー・ジョーンズは、シニアPGA選手権のオーガナイザーでもあったのだ。
1977年から80年にかけてはオナラリースターターが存在しなかったが、その後ジーン・サラゼン、バイロン・ネルソン、サム・スニードらがその任務を引き継ぎ伝統が復活。当時のスター選手がスターターを務めるようになって、一気に人気イベントとなった。
2007年からはアーノルド・パーマーがオナラリースターターを務め、10年にジャック・ニクラス、12年にゲーリー・プレーヤーが加わり、「ビッグ3」による始球式が2015年まで続いた。
文字通り名誉あるオナラリースターター。日本人がこの大役を担う日は来るのだろうか。