【名物ホールでいつかバーディ】Vol.35 気の抜けないホールが次から次へと押し寄せる! 兵庫県「千刈カンツリー倶楽部」3番パー3
かつてチョイス誌の編集長も務めたゴルフコースのスペシャリストが日本全国の名物ホールをレポート。今回紹介するのは、兵庫県にある千刈カンツリー倶楽部の3番ホール。
【名物ホールFile 35】
千刈カンツリー倶楽部
3番ホール 173Y Par3
レイアウトの変化を楽しむ余裕がないと
いいスコアは出せない
関西学院大ゴルフ部が最も強かった時代に選手だった方が「千刈はドッグレッグが多いから別名“千曲がり”」と教えてくれた。初めてプレーをしたとき、半分はドッグレッグではないだろうかという印象を受けた。まさに“千曲がり”だった。
出だしはティーイングエリアの左側に大きな池があり、それに沿って打っていく。つまり1番ホールは左ドッグレッグなのだ。2番ホールはやや右ドッグレッグになっている。3番ホールは池越えのパー3で最長173ヤード、レギュラーからだと134ヤードに。奥のピン位置に対して、8番アイアンを選択してショット。狙いよりも右寄りで、右のガードバンカーに入ってしまった。バンカーの右横には枝ぶりの良い松があり、ボールとピンを結ぶ線上の上方に枝が伸びていたことから、上げようとするとその枝に当たりそうなため、あまり大きく振り上げることができない。でも、バンカーの高さまで振らないと脱出は難しい、こんなときは「運を天に任せる」しかない。
上手く脱出してボールはピンから1.5メートルほど右奥。「パーにするぞ!」と、気合を入れて1パットのパーにできた。「バンカーショット上手かったね」と同伴者から褒められたことから気分はすっかり有頂天に。次の4番ホールで「よしここから快進撃だぞ」とその気になってティーショットを打った。だが力み過ぎて左ドッグレッグなのに左の山の中に打ち込んでしまった。「良いことは瞬間、嫌なことはいつまでも」状態の一日だった。
関西学院大学にゆかりのあるコース
ハウスを出たところにノーブル・スタボネスと書かれた石碑がある。体育会全体のモットーで「品位ある不屈の精神」という意味。大切です
千刈カンツリー倶楽部
兵庫県三田市山田大道ヶ平605
18H・6561Y・P72
コース設計/J・E・クレーン
文/吉川丈雄
特別編集委員。1970年代からアジア、欧州、北米などのコースを取材。チョイス誌編集長も務めたコースのスペシャリスト。現在、チョイス誌ベスト100選考委員、日本ゴルフコース設計者協会名誉協力会員としても活動
月刊ゴルフダイジェスト2024年3月号より