【名手の名言】ロバート・ハンター「ゴルフの妙味は、人生と同じく“変化”にある」
レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は「ザ・リンクス」の著者としても有名なコース設計家、ロバート・ハンターの言葉を2つご紹介!
ゴルフの妙味は
人生と同じく変化にある。
同じような風景のホールが
いくつも続くのは
まったくもって退屈だ
ロバート・ハンター
アメリカのコース設計家、ロバート・ハンターは、コース設計研究のため、スコットランドのリンクスコースを巡歴した。その時の感想をまとめたのが名著「ザ・リンクス」。
表題の言葉はこの著の一節だ。
コース設計の鉄則として「同じようなホールを2つ造ってはならない」というのがある。
“変化”とは、複雑で難しくするということでは決してない。音楽でも、強弱や長短、テンポの変化が聴衆を惹きつけるように、ゴルフコースもまた、ホールの長さや向き、傾斜や池、バンカーの配置、グリーンの形状など、いかにメリハリをつけ、ホールごとの変化を持たせるかが設計者の腕の見せ所。
似たようなホールの連続では面白みがなく、飽きてしまう。まさに人生と同じというわけだ。
おそらく最初のゴルファーたちは
自然との激しい戦いを愛する船乗りを
生業とする人であったに違いない
ロバート・ハンター
セントアンドリュースを始め、スコットランドのリンクスコースは、海沿いの砂丘上に形成され、強い海風をさえぎる樹木がなく荒涼として、長年の風雨によって穿たれたナチュラル・バンカーが口を開けている。
ハンターの眼にはまさに大洋の厳しさを彷彿とさせ、同時にこれに戦いを挑むゴルファーたちに勇敢な船乗りを想起したのであろう。
こうも言っている。
「ゴルフの本質は自然と戦うということだ。ちょうど登山や航海のように。いかに困難であろうと、自然と戦うスポーツマンは不平を言わないのだ」
■ロバート・ハンター(1874~1942年)
アメリカのコース設計家。スコットランドのリンクスランドを巡歴して綴った「ザ・リンクス」はコース設計家の哲学をあますところなく伝えて、畢生の名著として名高い。どこを切り取っても「名言・至言」になるといわれる。