【名手の名言】アーサー・バルフォア「時間にルーズな者はゴルフに近づいてはいけない」
レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回はゴルフをこよなく愛したイギリスの政治家、アーサー・バルフォアの言葉を2つご紹介!
良い天気、良いコース、良い同伴者
この3つが揃ったならば
人々が娯楽に求める
すべてのものが与えられるだろう
アーサー・バルフォア
ゴルファーにとってはもはや説明不要だが、「良い天気」「良いコース」「良い同伴者」、この3つが満たされれば、このうえなく最高な1日を過ごすことができる。今まさにゴルフのベストシーズンということもあり、この言葉を実感している人も多いのでは?
アーサー・バルフォアは20世紀初頭、首相まで務めたイギリスの政治家だが、ゴルフを愛したことでも有名だった。なにしろ首相就任当時、9だったハンディキャップを在任中に5まで縮めたほどである。
だからといってただ遊んでいたわけではなく、数々の実績を残し、文武両道の政治家として名を残している。
超多忙の中、3冊の哲学書、2冊の外交史、さらには2冊のゴルフエッセイを出版していることでもそれは明らかだ。幼少の頃からゴルフに親しみ、
「私の理想は、多く読み、少なく書き、たくさんプレーすることだ」
などのエスプリのきいた言葉も残している。その言葉どおり、晩年は晴耕雨読の幸福な人生を全うしたという。
時間にルーズな者は
ゴルフに近づいてはいけない
アーサー・バルフォア
ゴルフでは、組ごとに「スタート時間」というものが決められている。そしてそのスタート時間に遅れることは、何にも増して忌み嫌われる。
8時ちょうどのスタートであれば、7時にはゴルフ場に着いている必要があり、渋滞も考えると5時半には家を出なければならないこともしばしば。それだけ朝早くに準備をし、最高の天気、最高のコースで月に一度の至福のラウンドをスタートしようとしているのに、同伴者の1人が待てど暮らせどやってこない。
マスター室で無理をいってスタート時間を遅らせてもらい、なんとか事なきを得るも、最高の気分が台無しになってしまう。遅れたほうも、その日一日心から楽しむことはできないだろう。
仕事の打ち合わせなら、5分10分遅刻しそうでも、あらかじめその旨を連絡しておけば「すみません」で済むが、ゴルフの場合、単なる遊びにもかかわらず、いや、遊びだからこそ(?)、遅刻には厳しい目が向けられる。
単にマナーの問題だけでなく、プロの試合など競技では実際に厳しい“罰”が科されることになる。
スタート時間に5分遅れた場合は2罰打。それ以上遅れた場合には、競技失格という重い罰が科されてしまう。
1980年の全米オープンでは、セベ・バレステロスが2日目の朝に事故渋滞に巻き込まれ、スタート時間直前にコースに到着。スパイクに履き替え走ったがスタート時間に間に合わず、すでに同伴者が2打目を打ち終えていたため、失格となった事件があった(当時は同伴者が2打目を打ち終える前であれば2罰打で済むという慣例があった)。
ゴルフを長く続けていると、一度ぐらいは信じられない時間に目が覚めて、頭が真っ白になった経験があることだろう。たとえギリギリで間に合ったとしても、その後1~2年は会うたびにそのことを揶揄されたりする。ゴルフの前日はウキウキしてなかなか寝付けないものだが、目覚ましの確認だけは念入りにしておく必要がある。
■アーサー・バルフォア(1848~1930年)
イギリスの政治家。1902年から3年間、首相を務めたのち、第一次世界大戦勃発で海軍将として入閣。やがて外相に転じ、パリ講和会議には全権大使として、ベルサイユ条約に調印した。ゴルフは幼少の頃から親しみ、首相在任中にHCを9から5に縮め、「パラメンタリィ・トーナメント」では3連勝の記録も。3冊の哲学書、2冊の外交史、さらに2冊のゴルフエッセイも残している。