ゴルファーでなくても知っている「ファー!」。ではその語源は?【明日使えるゴルフ用語】
普段当たり前のように使っているゴルフ用語だが、その成り立ちや意味を問われたときに、正しく返せるだろうか? ここではラウンド中の会話やゴルフ仲間とのやりとりで使える、ゴルフ用語にまつわるうんちくを紹介する。
フォア【fore】
ラウンドに行けば、1日に何度かは「ファー」という声を聞くはずだ。この声の意味は「打球がそっちに飛んでいくから注意して」ということ。
打ったボールが大きく曲がり、隣のホールへ届きそうな場合や、前方に人がいるのに誤って打ってしまった場合など、ボールを人に当ててしまう可能性があるときは、迷わず「ファー」と叫ぶのがマナー。ゴルフ場で大声を出すのはタブーだが、このときだけはどれだけ大きな声を出しても構わない。警報の代わりなのだから、200ヤード先の相手に聞こえないと意味がないのだ。
「ファー」は、ゴルフをやらない人でも一度は耳にしたことがあるだろう有名なゴルフ用語だが、その語源については定かではない。
英語では「fore」と書き、発音的には「フォー」や「フォア」が近いが、相手に聞こえることが重要なので、「ファー」でも問題ない。
「fore」という言葉は1878年にはすでに使用されていたという記録がある。
いくつかある語源のひとつは、「フォアキャディ(forecaddie)」が縮まったというもの。ゴルフ場で見通しの悪いホールや、プロのトーナメントでボールのゆくえを追うために前方に配置されたスタッフのことを指すが、ボールが高価だった時代には、フォアキャディの役割がとても重要だったという。
そのフォアキャディのいる方向にボールが飛んでいったことを伝えるため、「フォア」と叫ぶようになったというのだ。
もうひとつの説は、軍隊で後方の砲撃手が前方の歩兵にかける掛け声「beware before」(前方注意)から来ているというもの。最後の「before」をさらに縮めて「fore」だけが残ったという。
いずれにしても、前方に危険を知らせるための声であることには変わりなく、打った球が少しでも危ないと思ったら躊躇せずに叫ぶこと。誰よりも大きな声で「フォアー!!」と叫べば、案外スカッとして気持ちもリセットできるものだ。