【名物ホールでいつかバーディ】Vol.23 “レンガの壁”が行く手を阻む! 「津CC」5番パー4
かつてチョイス誌の編集長も務めたゴルフコースのスペシャリストが日本全国の名物ホールをレポート。今回紹介するのは、三重県にある津カントリー倶楽部の5番ホール。
【名物ホールFile 23】
津カントリー倶楽部
5番ホール
431Y Par4
レンガの壁がプレーヤーの行く手を阻む
三重県津市に造られた津カントリー倶楽部は、設計は佐藤謙太郎、監修は尾崎将司プロが行った。この2人が手掛けたのは、1987年に茨城県に開場した鷹彦スリーC(現在の袋田の滝CC大子C)に次ぐものだ。
ホールごとに方向が異なり、それによって風向きや日差し、景観にも変化がある。グリーンから次のティーイングエリアに向かうわずかな時間でも、「次はどんなホールか?」という期待感は高まる。ほとんどのホールがやや打ち下ろしになっていて安心感があるが、その代わり真っすぐのホールは少ない。ホールごとに景色が変わることもプラスされ、常に新鮮な気持ちで臨むことができる。
特徴は、ラフには多くのマウンドが連なり、ソッドウォールによるバンカーが大きめで深いということ。そのため、ティーイングエリアからグリーン方向を視認すると、ハザードの位置が把握でき、攻略ルートが明確にされている。「ハザードは、打ってはいけない方向を教えている」という、コース設計者の言葉を思い出した。
5番ホールは、このコースでは珍しいやや打ち上げ。ティーショットを打ち、打ち上げになる2打目地点に近づくと、そこには見慣れない光景が広がっている。フェアウェイ幅でレンガの壁、しかも深さがあるグラスバンカーが目の前に出現する。
2打目をミスして、球はレンガに当たって跳ね返り、無情にもグラスバンカー内に転がり落ちた……設計者の思惑にしっかりとはまったことを思い出した。
地元グルメを堪能して午後も気合いを入れよう
三重県四日市の味といえばトンテキ。津CCのレストランにもあり分厚い豚肉をニンニクと一緒に濃いめのタレでソテーしたもので1900円
津カントリー倶楽部
三重県津市片田長谷町30
18H・7023Y・P72
コース設計/佐藤謙太郎 監修/尾崎将司
文/吉川丈雄
特別編集委員。1970年代からアジア、欧州、北米などのコースを取材。チョイス誌編集長も務めたコースのスペシャリスト。現在、チョイス誌ベスト100選考委員、日本ゴルフコース設計者協会名誉協力会員としても活動
月刊ゴルフダイジェスト2023年3月号より