“日本最後の秘境”に2秒で行ける!? 「オーイ! とんぼ」の聖地へバーチャル巡礼してみた
テレビアニメ化で話題の「オーイ! とんぼ」。トカラ列島という鹿児島の離島が舞台で、聖地巡礼はトップクラスに敷居が高い。そんななか、ファンが気軽にアニメの舞台を散策できる空間が存在した。
「オーイ! とんぼ」が好きすぎてアニメ化を渇望していたゴルフ女子Y子。2024年4月からアニメが始まると聞いたときの興奮度といったら、ゴルフで初めてバーディを取ったときよりも高かった。
そんなわけで、Myゴルフダイジェストの編集長に自分がいかに「とんぼ」を応援しているか、アニメ第1話を見てテンポがとても良かったこと、声優のイメージがぴったりだったことなどしつこくとんぼ愛を語っていたところ、「じゃあ、“とんぼの島”に行ってみませんか?」という話を持ち掛けられたのだ。
もちろん二つ返事で引き受けたのだが、その島が私の想像以上に“未来”だったので紹介したい。
「とんぼ」の島といえば、日本最後の秘境とも言われる鹿児島県・トカラ列島の中之島がモデルとなった「火之島」だ。しかし火之島は架空の島。どうやって行くのか不思議に思っていたらひとつのURLを紹介された。
https://stn.mb.softbank.jp/d3e3F
「ZEP(ゼップ)というメタバース空間にとんぼの島があるので、探索してみてください」
メタバース。聞いたことはあるが、どういったものかよくわかっていないという人も多いのではないだろうか。Y子もそのひとり。ということで調べてみた。
メタバースとは、仮想現実や拡張現実のような技術を使用して、人々が仮想空間でやりとりし、活動することができるデジタル空間のことで、ゲーム、社会的な交流、教育、ビジネスなどのさまざまな目的で使用されているそうだ。企業の発表会や会議、アーティストのライブをメタバース空間でやるというケースもあるのだとか。
そして、編集長が言っていた「とんぼの島」があるのが「ZEP」。ZEPは2022年に韓国で開始されたメタバースプラットフォームなのだが、日本のソフトバンクがこのZEPと提携。自分好みのアバター(メタバース空間でのユーザーとなるキャラクター)を使って5万人が同時接続でき、絵文字やスタンプ、メッセージ、ビデオ通話などで交流できる。
さらにZEPは専用アプリが必要ない。アプリを通さずブラウザ上で利用できるので、気軽に参加することができるのも嬉しい。このZEPと提携しているソフトバンクがZEPの中にとんぼの島を作ってくれたのだ。
さっそく島を探索!
ということで早速とんぼの島に探索に行ってみた。ニックネームを決めて入場すると、BGMに波の音と鳥の鳴き声が流れてくる。ああ、ここが火之島か……。
最初のアバターはランダムだが、設定から「アバターデコ」で自分好みのアバターに変えることができるので、ぜひ自分らしいアバターを作ってみてほしい。
まずは島をぐるっと一周してみる。とんぼやイガイガを発見! ヤギやトカラ馬もいる。掲示板や建物の中には近づくと黄色く光るものがあるのだが、パソコンからはFボタン、スマートフォンからは紫の矢印マークを押すとそのオブジェクトに合ったサイトが開く。御岳やトカラ馬、島の名所などを詳しく知ることができて、まるで観光しているかのような体験ができる。こんな雄大な自然に身をゆだねて過ごしてみたい……。
とんぼが通う学校に入ってみると、とんぼファンには垂涎モノのアニメの設定資料がたくさん! その中でも一番感動したのは「民宿セツばあ」の内観だった。和室の低いテーブルの周りに座布団が置いてあるのだが、きちっとそろっていない。田舎の和室ってこんな感じでバラバラっと置いてある! 本当はひとつひとつ紹介したいが、ぜひご自身でとんぼの島に行って見てみてほしい。
そして同じ学校の中にある図書室には原作マンガの無料試し読みがある。アニメでは表現しきれなかった部分や、細かい描写などがじっくり見られるので、原作を読んだことがない人はぜひチェックしてみよう。ちなみに、第3話の中に私の大好きなとんぼのセリフ「やたーッ!!」があるのをお知らせしておく(絶対見てね)。
島の中にあるとんぼとゴンじいの家は「チャットスペース」。この中で同じとんぼファンとアニメや漫画の話に花を咲かせることができる。やっぱりとんぼが放送される土曜の朝に人が多いのだろうか。ぜひリアルタイムでとんぼファンと語りたい……!
実際にとんぼの島へ行ってみて、原作ファンはもちろんのこと、「オーイ! とんぼ」をアニメで知った、まだ見ていないけどどんなアニメか気になっているという人にも楽しめる充実のコンテンツがそろっている。また、ただのウェブサイトではなく、メタバース空間の中で同じとんぼファンと交流したり意見交換をすることで、とんぼの世界がさらに楽しめるのが魅力的だった。
トカラ列島の中之島には簡単には行けないかもしれないが、この「とんぼの島」にはいつでもどこにいてもすぐに向かうことができる。とんぼファンと交流したい、アニメの世界をより楽しみたいという人はぜひ一度足を(手を?)運んでみてはいかがだろうか。