4月からテレビアニメ放送がスタートした「オーイ! とんぼ」。美しい島の風景と心を揺さぶるストーリー展開が話題を呼んでいる。そんな「とんぼ」の原作をこよなく愛する著名人の皆さんに“とんぼ愛”を語ってもらうリレー連載。今回は、元サッカー日本代表の三浦淳宏さんと、長女でプロゴルファーを目指す由楽さんが親子で登場。“リアルとんぼ”のような雰囲気の由楽さんと淳宏さんによる“とんぼファンミーティング”開始!

PHOTO／Yasuya Okuda

楽しそうにやっているのが好き!

――アツさんは、連載開始当初から「オーイ! とんぼ」を読んでくださっていて。よく「面白い」と褒めてくれて、ときには「次、どうなるの?」と聞かれたりもしていました（笑）。

淳宏　そうでしたね。週刊誌で読んでいたから、先が気になって「とんぼちゃん、すぐプロになるんでしょ?」と探りを入れたり（笑）。今は楽天マガジンで読んでいます。もともと、ゴルフ漫画は好きで、ほかにもいくつか読んでいたんですけど「とんぼ」に関しては、すぐ「これは!」と思いましたね。

由楽　私は単行本でまとめて読みました。

――では、早速、好きなキャラクターから教えてください。

由楽　私は、とんぼです。断然、とんぼちゃん（笑）。私もジュニアゴルファーとして試合にも出ているんですけど、とんぼちゃんはすごく楽しんでゴルフをしているから。プレー中の笑顔がかわいいし、あと考え方が面白いというか……。

――型破りのプレーをしますよね。

由楽　それを楽しそうにやるのがいいなって。自分もプレー中は「笑顔を大切に」と心掛けています。

――父としては、そんな娘の姿に感無量では?

淳宏　それがジュニアの試合って、保護者は中に入れないことが多いんです。送り迎えだけとか、コースに入れてもカートの運転だけ、とか。アドバイスすることももちろんないし、本人に任せています。送り迎えだけのときは、5、6時間車で待つとか。そこはサッカーとの違いですね。サッカーでは子どもの試合を保護者たちがスタンドで見守るのが当たり前ですから。

――そうか、我が子のプレーが見られないんですね。

淳宏　そうなんです。だから帰りの車の中で「今日はどうだったの?」って聞くのがお決まりの会話ですね。

――ちなみに、アツさんの好きなキャラクターは?

淳宏　僕もとんぼですね。僕はサッカーをやっていたから、ボールに回転をかけることはできるんです。蹴れば、ね（笑）。ゴルフでも、こういうふうに打てばこういう回転がかかるだとかの理屈はわかる。でも、実際にはできないんですよ。で、とんぼが自在に曲げ球を操るから、見ていて楽しいこと楽しいこと。

――ただ、男性に好きなキャラクターを聞くと「イガイガ」と答える人が多いんですよ。自分の姿に重ねやすいみたいです。

淳宏　僕は、自身がサッカーでもプレーヤーだったし、ゴルフも一応プレーヤーなので、とんぼに重なるところが大きい。それか、ゴンじい。

由楽　えっ、ゴンじいなの（笑）。

淳宏　プレーヤーとしては、とんぼ。娘を見守る親としては、ゴンじい。とんぼのボールコントロールには本当に惹かれますね。そうそう、由楽とゴルフの練習に行っているとき「スライスってどう打つの?」って聞かれたことがあったんですけど、そのとき「とんぼちゃんは、どう打ってたか思い出して」って言ったことがあります。

由楽　あった、あった（笑）。

――とんぼでありながら、ゴンじい視点を持つアツさん。とんぼが島を離れるときはどうでした?

淳宏　泣けたねえ。いや、あれは泣けた。島編、大好きなんですよ。

由楽　だって、とんぼの家族はゴンじいだけだから。交通事故でお父さんもお母さんも亡くなっている。そして遺されたのが3番アイアン……。私と同じ中学生で、お父さんもお母さんもいないなんて、私には想像できないから。

「めったなことで帰って来るな」と言うつもりだと宣言していたゴンじいが叫んだ「いつでも帰って来い」に、涙腺が崩壊した人多数

――その子が決意して島を出るんだから。泣けますよね。でも、島を出てから、とんぼの周囲にそんなに嫌な人もいなくて……。途中、ちょっと意地悪な記者は出てきましたけど……。

由楽　あ、でも、（音羽）ひのきさんも、出てきたときは、とんぼにちょっと冷たいというか意地悪な感じで嫌だなって思っちゃった。最初だけだったけど。

淳宏　ひのきは、お父さんからのプレッシャーが酷かったんだよね。

――顔つきが今と全然違っていましたよね。お父さんに怒られるのが怖くて、必死にミスしないようにしているような……。

淳宏　そういうの、実際のジュニアゴルフ界でもなくはないでしょう。ひのきは、最初、かわいそうな感じもあったなあ。その点、由楽は、とんぼ並みにゴルフを楽しんでいます（笑）。実は、プロのマンデートーナメントにも一度参加したことがあるんです。最初は「緊張するー」と言っていたんですけどね。終わった途端に電話がかかってきて。80以上叩いたから最下位だったんですけど、開口一番「すっごい楽しかった」って。こちらとしては「落ち込んでいるかな」と心配しながら電話に出たのに（笑）。明るく「6パットした!」って言うんですよ。

由楽　プロツアーのセッティングがすごくて。グリーンが速いのにびっくりしました。それがもう……楽しくて楽しくて。

――楽しかったんだ!

由楽　はい。

アツ&由楽の“ゴルフ＆とんぼトーク”は次回に続きます。

>>後編へつづく

三浦淳宏　1974年生まれ。埼玉県所沢市生まれ、大分市育ち。元サッカー日本代表。引退後は指導者、解説者として活躍

三浦由楽　2011年生まれ。神奈川県出身。ゴルフを本格的に始めたのは10歳の頃。現在、中学2年生で、学校とゴルフに全力投球の毎日

週刊ゴルフダイジェスト2024年4月30日号より

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