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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみてVol.42「二宮流ラウンド前のショット練は“普通には打たない”」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

前回、ラウンド前の練習グリーンは絶対にオーバーさせなきゃダメという話をしたけど、ショットの練習も同じである。

まっとうな練習はダメ。練習場の自分とコースの自分は別ものなので、ナイスショットを求めても、あまり意味がないと思うのだ。

ではどんなことに時間を費やすかというと、ボクは“毎回じゃないけど、もしかしたらあるかもしれない”という状況を想定し、それを練習するようにしている。

例えば、林からの脱出を想定するなら、木の下を転がすショット、木の右から回すインテンショナルフック(逆に左から回すインテンショナルスライス)、隣のコースから木の上を通過させる高い球、木が邪魔してテークバックがとれない場合のパンチショットなどなど。

アプローチだったら通常はSWを使うけど、ラウンド前にはあえて8Iで転がしてみたり、5Iで転がしてみたり、はたまたUTで転がしてみたり。

アゴの低いバンカー練習場があれば、バンカーの後ろからパターやUTでグリーンを狙ったり。

ボクのことを知る人は、それを見て「またやってる」とニヤニヤするだけだけど、よく学生さんからは「一体、なんの練習なんですか?」と聞かれることがある。ポクは「(こんな状況も) なくはないだろーが」って答えるんだけど、純粋な彼らにはいささか謎のようだ。

でも実際、ボクが想定した状況はなくはないよね? 林に入ったら横に出すのがセオリーだけど、逆に横に出すのが難しくてグリーン方向が空いているっていうときって、なくはない。いや、それどころか“あるある”ではないだろうか。

ボクはラウンド前に普段とは違った練習をしておくと、ラウンド中「あれ、これさっき練習したな」っていう状況によく遭遇する。というか、練習場のような平らな状況から打つことのほうが少ない。

“あるかもしれない”を想定して、ラウント前の練習場ではいろんな状況をイメージして練習しよう

というわけで、まっとうな練習は日ごろ練習場のレンジでやるとして、せっかくコースヘきて芝からアプローチ練習できたり、砂からバンカー練習ができたりするなら、普段やらない練習をするほうが楽しいし、引き出しも増えるのだ。

もちろん、それをやったからといって全部練習どおりにいくわけじゃない。やったことがあるかないかが大切なのだ。失敗したときに、どんなミスが出るか、経験しておくこと、それも目的のひとつだ。

同じイチかバチかのショットでも、経験があるかないかで大違いである。経験があれば、それを選択しないかもしれない。あるいは、選択して失敗したとしても想定内、ということでショックも小さい。成功したら「ほら練習したからね♪」とポジテイプになれる。

コースのなかの“あるある”状況はレベルによって無限大に想定できる。ボクはそれを想像するだけでもワクワクしてきちゃうんだけど、みなさんはどうかな? 次のラウンドで試してみて。


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2017年10月3日号より