脱力して、体の回転で引っ張る。イメージは“犬の散歩”?
アマチュアには習得が難しいサイドベンド(側屈)だが、その動きを応用することで、一般アマでも飛距離と方向性を両立させることが可能だという。新木豊プロに、引き続き意識すべきポイントを教えてもらおう。
TEXT/Masato Ideshima PHOTO/Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki、Blue Sky Photos THANKS/旭国際姫路ゴルフ倶楽部
- 今年のフジサンケイクラシックを制した大西魁斗のインパクトの形は衝撃的だ。側屈、いわゆるサイドベンドを使った象徴的なスウィングだが、今や世界では多くの選手がこの動きを取り入れている。ただ、我々一般アマにとってはかなりハードルの高い動きにも思える。そこで今回は、体にやさしい“大人向けサイドベンド”の習得を目指す! TEXT/Masato Ideshima PHOTO/Hiroaki Ariha……
体の回転に沿って左に振り抜く
GD 遠心力ってどうやったら出せるんですか?
新木 大事なのは左に振り抜くことです。要するに体の回転に沿ってクラブを振るという動きが必要になります。
濱田 左に振るためにはどうすれば?
新木 体の回転でヘッドを引っ張る感じです。その時の条件として絶対に脱力してください。右手でクラブを持って、そのまま体を回転させる。ヘッドが遅れて犬の散歩のような形になるのが正解です。
小倉 ヘッドはこんなに遅れていいんですね?
新木 体の回転に沿ってクラブを引っ張ることができれば、振り遅れることはありません。逆にヘッドを走らせようとして体を止めるのは危険です。ヘッドが走らないだけでなく、首や手首に負担がかかりケガの原因になります。
濱田 左に振れるようになると確かに速く振れるようになりますね。
新木 押す動きじゃなく引く動きがポイントなんです。
Point
体の回転でヘッドを引っ張る
体の回転でクラブを引っ張ると軌道は自然にイン・トゥ・インになり、ボールがつかまりやすくなる(写真上)。腕力に頼ると遠心力が出せない(写真左)
Point
左サイドで引っ張るとクラブと体が自然と同調する
体の回転に沿ってクラブを引っ張るには左サイドを意識するのがいい。引っ張る動きを使うと遠心力を失うことなく使える(写真上)。ヘッドを走らせようと腕の力を使うと体の回転とクラブの動きがバラバラになり、効率の悪いスウィングになる(写真左)
大西魁斗の左サイドの動きに注目!
体の回転に沿ってヘッドを引っ張ることができれば大西のように自然に頭が落ちて側屈が発生する。この形を無理に作ろうとすると腕の力を使ってしまいがちで、ヘッドに遠心力も生まれない
水平にヘッドを振る感じでちょうどいい!
GD ヘッドを体からできるだけ遠い位置で動かすと遠心力が生まれるのはわかりましたが、どうすれば遠くで動か
すことができますか?
新木 水平素振りが効果的な練習法になります。
小倉 水平素振りって意外と難しいんですよね。
新木 まずは腕をリラックスさせた状態にして、手元と体の距離が変わらないように振ります。このときヘッドを先に動かそうとせずに体の回転に引っ張られる感覚が重要。
濱田 インパクトで手首を返す動きは必要ですか?
新木 返す必要はありません。返そうとすると左手が下になって、こねる動きになり、ヘッドを引っ張ることができません。そうなると遠心力は消えてしまいます。イメージとして、一枚の板をヘッドでなぞるように動かせば水平に振ることができます。結果、ヘッドが体から遠いところを動くので遠心力が生まれるということです。ヘッドが水平よりも下に落ちないように意識してください。
Drill
手元と体の距離を変えずに水平素振り
大西魁斗のフォローに注目!
スウィング軌道を見ても、地面と水平に近い一枚板のようになっているのがわかる。ちなみに、頭を下に下げているのではなくヘッドに生まれた大きな遠心力に引っ張られているから、結果的にこの形になっているだけ。効率よく振れれば意識しなくてもこの形に近づく
>>新木プロおすすめの練習法とは?
- 最後に、効率よくヘッドを走らせ、かつ安定して真っすぐ飛ばすための練習法を教えてもらった。 TEXT/Masato Ideshima PHOTO/Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki、Blue Sky PhotosTHANKS/旭国際姫路ゴルフ倶楽部 新木豊 1979年生まれ。宮城県出身。東北福祉大を経て現在は加古川市……
週刊ゴルフダイジェスト2022年10月18日号より