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【通勤GD】時松隆光プロを育てた異次元打法「みんなの桜美式」Vol.11 挟むではなく握る ゴルフダイジェストWEB

前回に続き「桜美式」テンフィンガーで飛距離アップする方法を篠塚武久先生に教えもらいました。「桜美式ゴルフ」のキーポイントである「手」の役割についてです。

前回のお話し

【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

ゴルフ向学者
たけひさ先生
篠塚武久・73歳。福岡市で「桜美ゴルフハウス」主宰。福岡大学の大石迪夫教授と作り上げた「OSゴルフ理論」で多くのジュニアが結果を出す。「テンフィンガー研究ははや20年。今後『分担型グリップ』時代がくることを確信」

右手と左手、両方を生かすテンフィンガーグリップ

篠塚 旧来の両手合体型グリップ、オーバーラッピングやインターロッキングよりも、「桜美式」のテンフィンガーが、コントロールのみならず、飛ばしにおいてもなぜ有利なのか。両手合体型グリップは、右手のひらは、グリップではなく左手の指を握り込んでいると、前回に説明しました。たとえるなら、「右手を殺し、左手を生かす」発想です。しかしそれだと、プラスマイナス=ゼロにしかならない。なぜなら、右がマイナス(殺す)、左がプラス(生かす)でゼロだから。

篠塚 しかも、利き手である右を殺してしまっては、左手で利き手を補うことはできないので、ゼロ以下、マイナスの非力なグリップということになる。

GD でも右手が強すぎてミスが誘発されるから、左手で相殺したのであって、ゼロでもいいと思っていましたが?

篠塚 ゼロでは進歩が非常に遅いんです。不器用だし非力な左手1本にすべてを委ねるのは、尋常でない練習量や体の強さが求められますから。つまり、ある特殊な人に向けて100年以上も昔に考案された両手合体型グリップを、一般のアマチュアや、非力なジュニア、レディス、シニアまでもが真似をして「飛ばない」と嘆いているのが現状ということ。「桜美式」テンフィンガーは、右手を「殺す」、左手を「生かす」ではなく、右手も左手も、ともに「生かす」。だからマイナスではなく、プラスから始められ、「飛ばそう」となどしなくても、自然と「飛んでしまう」んです。

GD 「殺す・生かす」ではなく、ともに「生かす」。

子供時代の時松隆光プロ。「人間が瞬発的に力を出そうとするとき、両手一緒には動かない。イメージするのは右手で『攻める』ことだけ。左手は『助ける』が本当の役割です。源蔵くん(時松プロ)も幼少時から、簡単にパワーを発揮できる自然な形で握っていました」

右手は攻める、左手は助ける役割。これが飛距離を生む

篠塚 そう、どちらも生かして、役割を与えれば、手という神から与えられた素晴らしい機能を、十全に飛距離アップに使えるんです。私が生徒に教えているのは、手とは「殺す・生かす」のではなく、どちらも生かした上で「攻める・助ける」ものですよと。

篠塚 まず、右手の役割は「攻める」です。飛距離を稼ぐためには、旧来とは発想がまるで逆で、とにかく右手に仕事をさせること。そのために大切なのは、右手のグリップの握り方です。「テンフィンガーだと飛ばない」と嘆く人のほとんどは、せっかくテンフィンガーで握っているのに、右手が殺されたままの「偽テンフィンガー」が実は多いんです。

GD 「偽テンフィンガー」?

篠塚 クラブは円柱形のため、どんな風に握っても球が打ててしまう。ゆえに旧来の両手合体型グリ
ップの形のまま、小指を絡めるのだけをやめて、10本の指で握っているというのが、「偽テンフィンガー」です(写真①)。これだと人差し指と親指とでグリップを「挟む」スタイルなので、まだ右手が殺されたままになる。

右手を挟むテンフィンガーは偽物(写真①)

篠塚 指で挟む力は弱く、シャフトがぐらぐら揺れて不安定で、グリップという根本が曖昧に揺らぐので、ミスも多発する。特に力のないジュニアは「挟む」でゴルフを始めてしまうと上達がとても遅い。対して「桜美式」テンフィンガーは、形そのものが旧来の両手合体型グリップとはまったく異なり、指で「挟む」のではなく、手のひらで「握る」のです(写真②)。

「人差し指と親指とでグリップを『挟む』スタイルは、右手が殺されたままになる。指で挟む力は弱く、シャ
フトが揺れて不安定で、ミスも多発する。手のひらで『握る』から、パワーが出るんです。握るというのは、“グー”ですよね」

GD 「挟む」のではなく、「握る」。

右手はグリップを挟むのではなく、グーで握る

篠塚 鉄棒に全体重を預けるとき、旧来のグリップのように指で「挟む」人はいないでしょう。重量挙げでも、野球の打者でも、パワーを出そうと思ったら、みんな手のひらで「握る」。ゴルフも同じで、もしシャフトが円柱ではなく日本刀のように楕円だったら、誰もがしっかり手のひらを使って握るはず。

時松選手のテンフィンガーグリップ、テークバック

篠塚 だからこそ「桜美式」では、クラブで球を打つよりも、木刀で球を切ることをイメージさせているんです。するとジュニアも急成長を遂げます。「桜美式」出身の時松隆光プロのジュニア時代を見てください。右手が「グー」の握りをしています。「グー」こそが人類最強の、簡単にパワーを発揮できる自然な形なのです。

GD 右手はグーで握って「攻める」。左手は「助ける」でしたね。

篠塚 とはいえ、右手一本で長いクラブをコントロールすることはできないので、左手はクラブに添えるようにしてやはりグーで握り、あくまでも右手を補佐する役目です。この左手の「助ける」という仕事も飛距離アップには欠かせないので、やはりグリップは『10本で握る(拙著のタイトルでもあります!)』が正解なんです。

週刊GDより

篠塚先生の桜美式打法が直接学べるチャンス!
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