Myゴルフダイジェスト

【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.95 「陸也くんはやっぱり好青年でした」

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

PHOTO/Hiroshi Yatabe

前回のお話はこちら

PGAが主催の「日本プロゴルフ選手権」では3年前の第86回大会から、マッシーこと倉本昌弘プロ(元PGA会長)の発案で、プロアマ大会ではアマチュアの方が3人、それにレギュラーツアーのプロ1人とシニアツアーのプロ1人の計5人で回る形式を取り入れとります。僕は若い頃から、プロアマ戦でお客さんとワイワイ話しながら回ることが好きやったので、早う自分にも回ってこんかなと思っておったところ、今年の第89回大会でようやくオファーがありました。


しかも、もう一人のプロは星野陸也くんです。実は、うちの家内が彼のファンでね。彼女はド素人やから技術的なことはまったくわからんのですけど、いつもテレビを見ているとプレー面では一生懸命やし、インタビューでも飾らないしカッコつけないところがすごくよい、だから応援したくなる言うんです。 

いや、今回陸也くんに実際に会うてみて、家内が言う通りの好青年でしたね。ゴルフいうんは恐ろしいもんで、僕らでも性格が出ますから、一緒にプレーしたら性格とか人間性はわかるもんです。プロアマ中の彼は、他の人のプレーをよく見とって、アマチュアの方にも親切に教えておりました。ラインもよく読んでアドバイスしていたし、その姿を見ていて、星野陸也の人となりがよくわかりました。

プロアマは、試合の本戦の2日前に開かれることが多いので、プロは、明後日からの本戦に向けてコースのチェックなどに一生懸命になるもんです。でも彼は、プロゴルフの試合は、開催してくれるスポンサーと、応援してくれるファンやギャラリーと、我々プロの、この関係でツアーが成り立っておるいうことを、よくわかっておるのでしょうね。

僕自身は、大したことはできんかったけど、お客さんには高評価でした。僕らシニアプロはもちろんお手伝いできることは喜んでやりますし、プロ同士の交流いう意味でも楽しかった。

お客さんもプロが2人いるとキャディさんが2人ついているようなもんで、楽しかったみたいですわ。今後も続けてほしい、とてもよい企画でした。

思った通りのエエ人柄でした

「星野くん、他の人のプレーをよく見て、アマチュアの方にも親切に教えておりました」

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2022年9月13日号より