【50㍎のアプローチ】冬の薄芝からピンが狙える2つの打ち方。SWで低い球、9Iのピッチ&ラン。崎山武志プロが実戦ゴルフレッスン
芝が薄くて地面が硬いこの時期。サンドウェッジのコントロールショットはバウンスが弾かれやすいので注意が必要。また、きちんと当てようとした結果、手元がゆるんでザックリという致命的ミスも生じやすい。冬芝の50㍎を正確に打つポイントをシニアの名手・崎山武志プロに聞いた。
GD 冬は芝が枯れて薄いため、バウンスが弾かれやすく、50㍎のアプローチが難しいです。
崎山 50㍎のアプローチはスウィングの振り幅を調整して距離をコントロールしなくてはならないため、ただでさえ難しいですよね。加えて冬の薄芝では、バウンスが弾かれないようにしようとか、ゆるまないで正確にインパクトしようと考えてしまうと余計に難しくなります。
GD 冬の50㍎を成功させる方法を、ぜひ教えてください。
スタンスは狭くオープンに構え
ボールを右に置き、低い球をイメージ
崎山 通常は軽いオープンスタンスに構えてボールを真ん中に置く人も、芝が薄くて地面が硬い場合はボールを右に置いて低い球を打ちましょう。両足の間隔も狭くしてオープンスタンスの度合いを強めると、ザックリやトップを防げます。
GD 冬芝の場合はボールを上げようとしないことが大事なのですね。
崎山 目線を低くして両肩のラインを水平にセットして構えたら、左肩に支点を置いてボールを横から拾うようなイメージでソールをすべらせて振っていきましょう。通常でキャリー45㍎、ラン5㍎とすれば、この場合はキャリー40㍎、ラン10㍎を目安にしてください。
【ポイント①】下半身リードでソールを滑らせる
ボールに当てようとする意識が強いと、腕の動きでインパクトを調整しようとするため、ゆるみやすい。下半身主導で振っていくが、支点は左肩。ボールを横から拾う意識でソールを滑らせていく。
【ポイント②】ボールを右に置いてスタンスは狭く
薄芝の場合は、ボールを右かかと内側の前にセットし、両足の感覚を狭めてオープンスタンスの度合いを強める。
【ポイント③】フォローをしっかり取る
インパクトして終わりではなく、下半身の動きでフォローまでしっかり振っていく。リーディングエッジが刺さることなく、ソールが滑ってボールをゾーンでとらえることができる。
左足への圧力を強めて回転
GD 下半身主導でスウィングするとのことですが、体重移動は使わないのでしょうか?
崎山 右足への体重移動は使いませんが、左足への体重移動は使いますね。
GD どういうことでしょう。
崎山 アドレスで体重を左足に多めにかけておいて、ダウンスウィングからインパクトにかけて左足への圧力を強めながら腰を回転させます。感覚表現でわかりにくいかもしれませんが、左足だけで立ってスウィングし、最後に右足を前に踏み出してみると体感できますよ。左サイド中心で振っていく感覚がわかると思います。
【ポイント④】 ショット前に左足1本素振り
右足を浮かせて構え、左足1本でスウィング。最後に右足を一歩前に踏み出す素振りをしてみよう。左サイドを使って振る感覚が体感できるはずだ。
50㍎を9Iで寄せる方法もあり
落とし場所を決めて打つことが大切
崎山 9番アイアンを短く持って振り幅を小さめにして打つ方法もやさしいですよ。ピンの位置がグリーンの奥の50㍎なら、キャリーで直接グリーンに乗せられますが、ピンが手前側なら落とし場所はグリーンの手前となります。その辺りの芝の状態も確認する必要もありますが、冬は転がせるエリアが広いから心配いらないでしょう。
GD 同じ50㍎でも持つクラブによってキャリーとランの比率が変わるのなら、落とし場所を決めて打つべきですよね。
崎山 その通りです。キャリーとランの比率と同時に、球の高さも考えることです。どのくらいの高さでグリーン上のどの辺に落としてピンに向かって転がしていくか。そうしたショットのイメージ作りをしてから打つ癖をつけましょう。
【9番アイアンのポイント】 しっかり腰を回してボールをとらえる
アドレスの決め方、打ち方はSWの低い球と同じだが、注意したいのは振り幅が小さくなるぶん、手打ちになりやすいこと。動きが小さくなったとしても、しっかり腰の回転でボールをとらえたい。右のお尻を後ろから押されて腰が回る意識を持つとうまくいく。
ボールを2つ並べて
2個とも真っすぐ飛んだら合格
崎山 2種類の50㍎の打ち方を説明しましたが、打ち方は一緒なので、状況で使い分けられるようになってほしいですね。2つの打ち方が実戦でできたら、上級者の仲間入りですね。
GD 効果的な練習法はありますか?
崎山 実際に打つボールの20㌢チ後方にティを刺しておき、20㌢前方にボールをもう1個置きましょう。クラブヘッドがティに当たらないように振り下ろして2個のボールを一緒に打ちます。鋭角にボールをとらえようとするとうまくいきません。これで、ゆるやかな軌道でボールを横から拾う感覚が身につきますよ。
TEXT/Takashi Misiro、PHOTO/Yasuo Masuda、THANKS/栃木ヶ丘GC
週刊GD2020年2月11日号より
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