LIVでいきなり“6億円”荒稼ぎのステンソン。その代償は…?
先に開催されたLIVゴルフ第3戦は、ヘンリク・ステンソンが優勝。ライダーカップのキャプテンの座を追われてまで選んだ新天地で、さっそく結果を出した。
前夜祭はトランプ前大統領はじめ多くのセレブが駆けつけ、さながら“パリピの集い”。試合会場も初戦のロンドンはギャラリーが少なかったが、今回は大勢が詰めかけ華やかな雰囲気に包まれた。
そんななか、移籍1戦目で優勝したステンソンは「自分を誇りに思う」と胸を張った。獲得した賞金は個人戦の400万ドル(約5億4000万円)とチーム戦2位の37万5000ドル(約5000万円)。48名のほぼ固定されたフィールドで転戦するイベントは、「まるでサーカス」「エキシビション」と揶揄されるが、それでもD・ジョンソンやB・ケプカ、B・デシャンボーらメジャー覇者たちを下し、トップでゴールを駆け抜けるのは「素晴らしい気分だった」とステンソン。
しかし3日間で得た富と反比例するように、世間での彼の評判は急降下している。今年の3月、ライダーカップキャプテンに選出されたとき、彼は「これは私が新リーグに参加しないことの証し。いろいろな憶測が飛び交っていますが、ライダーカップでヨーロッパを勝利に導くため全力で取り組みます」と語っていた。さらに「選手や副キャプテンは契約書にサインしないが、キャプテンはする」とコミットメントを強調したが、前言を翻しLIVに参加した。
DJもデシャンボーも今年の初めにLIV入りを否定しながら移籍しており、ステンソンだけが嘘をついたわけではない。しかしキャプテンは個人以上のものを背負った存在。その彼が責任ある立場を失ったことに特にヨーロッパのゴルフファンは冷ややかな眼差しを送っている。
経済的には大成功だった移籍初戦。しかしイメージ的にはどれだけの価値があったのか疑問が残る。
週刊ゴルフダイジェスト2022年8月23・30日合併号より