【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.92「好きなことを、好きなだけ」
高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。
PHOTO/Tsukasa Kobayashi
就職活動真っ最中の学生さんもおるでしょう。実は僕、一度サラリーマンをやったことがあるんです。
大学はゴルフ部でしたが、そのとき見ていたプロゴルファーはみんなすごくて、飛ぶし、怖い人ばっかりやし、プロになんてなれないと思って、ゴルフ関係の仕事ができたらいいなと就職したんです。
でも、2カ月でしたわ。続くわけがない(笑)。やっぱりプロになりたかったんでしょうね。
最近わかったことですけど、やっぱり自分が好きなことをやったほうがいいですよ。それが一番いい。好きなことを、好きなだけやればいい。それが成功へのカギです。それを我慢したらあかん。
だから職業としても、一番好きなことを選ぶのが一番いいんやけど、たとえば22歳やったらまだまだわからんときもあります。それに結婚をしてもしなくても、そこからの人生、いろんなことがあるわけですから。
仕事を途中で変えても別にいいと思います。そこで一生やらなきゃいけないわけやない。そういう柔軟な考えを持っておいたほうがいいと思います。
そして、自分が楽しいなあとか、面白そうやなとか、何かこう興味があること、惹かれることがあれば、さっと飛び込んじゃう。
でもそれが、今日見つかるかもわからないし、30年後かもわからない。わからないときはもう、じっとしてたらいいんです。
それに、歳を取ったら、取ったなりにね、やっぱりあれこれ、面白いなとか、そういうのが出てくるもんです。生きている限りは。
だからいろんなところに行ってみてもいいんやないですかね。
そこに行くと「食えない」とかありますけど、それはしょうがない。それでも行く人はいるんやからね。どっちがほんとに自分の人生を生きておるのかなと思ってしまいます。
でも、今まで生きてきてずっと何とかなってきました。悩みもあるけど、別に人からおっきなお金を借りたりね、そんなことせんでも、とりあえずは何とかなってるんです。
「なかなかできへんのですよ。自分を普通にそのまんま出せるのって一番すごいことですから」
奥田靖己
おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する
週刊ゴルフダイジェスト2022年8月16日号より