【ユーティリティクラブ選び】グリーンに乗せるにはどんな球が必要か。飛距離性能で選ばないツアープロのユーティリティ
ユーティリティ選びは飛距離よりも、「イメージに合った弾道」と「クラブ重量」で選ぶのが大事。前回記事のクラフトマンテスター小倉勇人さんの答えでした。言葉にすれば簡単だが、実際にプロは何をどう選んでいるのだろう。早くからウッドやユーティリティをクラブセッティングに多用し「六本木男」の異名を持つ、井戸木鴻樹プロはじめ、鈴木亨プロ、米山剛プロ、日下部光隆プロに話を聞いた
井戸木プロはFW4本、UT1本。
ここにUT選びのヒントがある
FW&UTへのこだわりを井戸木プロに聞くと、
井戸木 このロイコレのFWとUTは相当長く使ってますよ(笑)。でも、それはそれぞれの番手で、どんな球を打ちたいか、どんな役割をさせたいか、が明確に決まっているからなんです。
5本それぞれ、打ちたい球が明確
井戸木 4Wはグリーンを直接狙っていくクラブ。強い球よりも、キャリーの高さが出て、グリーンで止まってくれるモデルを選んでいます。
井戸木 さらに、ふわっとした球でグリーンにひらひらと舞い落ちる弾道イメージが出るのがこの5W(下中)。最近の5Wは強い球が出て、飛びすぎるものが多い。だからこのモデルが手放せないんです。7W(下右)はグリーンオンではなく高い弾道でピンを狙えるもの。
井戸木 そして、180㍎前後をアプローチ感覚で運べるのが24度のUTです。
井戸木プロの番手別飛距離
3W(15度):225~235Y(テーラーメイド M2)
4W(16度):210~225Y
強い球よりも高い球が必要(ロイコレ スーパーCV BBDタイプH)
5W(19度):200~210Y
フワッとグリーンにヒラヒラ落としたい(スーパーCV BBDタイプH)
7W(21度):190~200Y
グリーンではなくピンが狙える高弾道(スーパーCV BBDタイプH)
5UT(24度):175~190Y
180Yをアプローチのように狙いたい(ロイコレ スーパーCV TRC)
井戸木 飛距離だけでなく、打ちたい球筋から選んだほうが、自分に合うFWやUTが見つけやすいと思いますよ。
シニアプロの組み合わせチェック
鈴木亨プロ
鈴木亨プロのFW&UT
3W(15度):ミズノ MP-FW
UT(19度):タイトリスト 816H1
UT(21度):タイトリスト 816H1
UT(22度):ミズノ FLI-HI
いろいろな球が打てるUTをいれています
「左に行かないUTがいいですね。強い球や、高さが出る球など打ち分けています。だから、ウッド型2本、アイアン型1本と分けています」
シニアプロの組み合わせチェック
米山剛プロ
米山剛プロのFW&UT
3W(14度):ヨネックス i-EZONE
5W(18度):ヨネックス EZONE
UT(19度):ヨネックス EZONE
UT(22度):ヨネックス EZONE
UT(25度):ヨネックス EZONE
パー3の距離に合わせてUTを組む
「そのコースのパー3の距離とロケーションによって、19度UT、22度UTを使い分けています」
シニアプロの組み合わせチェック
日下部光隆プロ
日下部プロのFW&UT
3W(15度):キャロウェイ エピックFLASH サブゼロ
5W(18度):キャロウェイ エピックFLASH サブゼロ
UT(22度):ロイヤルコレクション SFD X7
UT(25.5度):ロイヤルコレクション SFD X7
UT(28度):ロイヤルコレクション SFD X7
難ライに強いから6Iの代わりに28度のUT
「悪いライからも打ちやすいUTを3本、高さや距離がコントロールできる5Wを組んでいます」
アマチュアは、5Wを起点に役割分担を考えましょう
「シニアプロは3Wを起点にウッドとUTを組んでいます。でも、アマチュアの場合は、3Wはアベレージ向けモデルでも芝から打って高さを出すのは難しいモノ。だから、5Wを起点にクラブ重量の階段をチェックしたうえで、狙った弾道が打ちやすいUTを選ぶのがいいですね」(小倉)
月刊GD2020年3月号より