突然出る右へのプッシュアウト! ドローヒッターの“逆球”はなぜ起こる? 未然に防ぐカンタン対処法
ドローヒッターにとって痛いミスが、突然出てしまう右へのプッシュアウト。いったいどういうときに右へのミスが出てしまうのか。その原因と、逆球を防ぐためのポイントを教えてもらった。
PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/成田ヒルズCC
解説/鈴木髙広
すずきたかひろ。1973年生まれ。山形県出身。これまで教えてきたアマチュアは軽く1000人を超えるレッスン界の鉄人。アコーディア・ガーデン千葉北所属
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- 持ち球がスライスの人は、通常左を向いて構えるため、突然、普段出ない左へのミスが出ると、大ケガにつながってしまう。こうした予期せぬ“逆球”を防ぐにはどうすればいいのか? スライサーのための逆球防止法を教えてもらった。 PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/成田ヒルズCC スライサー代表 布浦 敦さん(42歳・平均スコア92)左右が広いホールだと飛ばせる自信があるが……
飛ばそうとしたときに逆球が出る
GD ドローヒッターの逆球、右へのプッシュアウトは何が原因でしょうか?
鈴木 これは、スライサーの逆球とはまったく違うんですよ。ドローヒッターはある程度、ゴルフが上手い人ですから。
GD なるほど。
鈴木 ドローヒッターは、いつもより飛ばそうとしたときに、右にすっぽ抜けるんです。たとえば、パー5のティーショットとか、距離の長いパー4とか。
GD 確かにスライサーの逆球とは違いますね。
鈴木 飛ばそうとして手元が浮いて、フェースが開いて、右プッシュ! 簡単に言うと、振りすぎによる振り遅れですね。
GD 解決法は?
鈴木 ボールからヘッドを離して構えるだけで効果があります。
GD それだけですか?
鈴木 頭を残して振れたら、大丈夫。ドローヒッターは、ボールをつかまえるコツを知っているはずですから。
ドローヒッターの逆球、4つの原因
(1)顔が上がる
顔が上がると、右肩が下がって体が浮く。そうすると、フェースも右に向きやすい
(2)胸が開く
飛ばそうと力むため、上体の開きが早い。こうなると、ヘッドが遅れて振り遅れる
(3)手元が浮く
クラブを思い切り振り回すと、腰が伸びて手元が浮く。手元が浮くだけでフェース面は右を向く
(4)フェースが開く
振り遅れや手元の浮きが原因で、フェース面がスクエアに戻り切らない。ボールはフェースが向いた右方向に飛び出す
ドローヒッターの逆球対策
3つのステップ
【STEP1】
ヘッドをボールから離して構える
「ヘッド1個くらいボールから離して構えます。目線はボールではなく、ヘッドのあたり。これで、頭を残して振る準備ができます」(鈴木)
【STEP2】
ヘッドがあった所を見ながらインパクト
「アドレスでヘッドがあった所を見ながらインパクトすると、自然とビハインド・ザ・ボールになり、フェースが開かなくなります」
【STEP3】
頭を残して振り抜いていく
「ボールよりも右を見ているのはインパクトまで。あとは自然に振り抜いていけば、いつものドローボールが打てているはずです」
飛ばしたくなるホールでは…
鈴木 最後に、ドローヒッターが飛ばしたいホールにやって来たときの秘策をご紹介します。
GD 面白そうですね。
鈴木 ビハインド・ザ・ボールで球をつかまえるためのルーティンです。顔を右に向けて、腰は左に切る。この動きを打順待ちのときにやっておくんです。自分の番が来たら、素振りで最終確認します。
GD 顔が右、腰が左ですね?
鈴木 実はこれ、ドロー系のプロが無意識にやっている動きなんです。飛ばしたいドローヒッターがやると、右のすっぽ抜けが出なくなりますよ。
おすすめルーティン1
顔を右に向け、腰を左に切る
「ドライバーを体の正面に立てて、少し前傾姿勢になります。そこから顔を右に向け、腰を左に切る動きを数回、繰り返します。ビハインド・ザ・ボールでインパクトするリハーサルです。自分の打順が来る前にやっておきます」(鈴木)
Point 1 顔を右に向ける
顔を右に向けることで、頭をしっかり残してビハインド・ザ・ボールでインパクトするイメージを体に刷り込む
Point 2 腰を左に切る
ドローヒッターは、腰の動きが止まるとチーピンもある。左腰をしっかり切っていく動きを体にインプットする
おすすめルーティン2
ビハインド・ザ・ボールのイメージで素振り
「いざ、ショット! という前に、ルーティン1のように頭を残して腰を切る素振りをやっておきます。これで、右プッシュの心配のない強いドローが打てるリハーサル完了です」
週刊ゴルフダイジェスト2022年8月9日号より