最近見かけなくなった4W…いまPGAツアーで「16.5度」のFWが人気なワケ
PGAツアーで、いま「16.5度」のFWの使用率が増えているという。その理由を深掘り!
PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/PGST
解説/堀口宣篤
PGAツアーやデータ解析にも精通している、フィッター兼スウィングコーチ。PGSTに所属
データ解析の進歩で16.5度が再評価
4番ウッドに相当する「16.5度」のウッドを見かけることは少なくなったが、PGAツアーでは近年使用選手が増えていると堀口宜篤コーチは言う。その理由について聞いてみた。
「一番の要因は、フェースの開閉を抑えたスウィングが浸透してきたことでしょう。近年では、ハンドファーストでロフトを立ててインパクトする選手が増えたため、15度ではスピンが入りにくく、高さも出にくい。それでは球が強くて飛びすぎてしまうので、使いにくくなったということです。逆に、ジャスティン・ローズに代表されるような、インパクトでそれほどハンドファーストが強くない選手は、今も15度と18度の2本を使っていることが多いんです。科学的なデータ分析ができるようになって、スウィング理論が進歩したことが、道具にまで影響を与えているというのは非常に興味深いですね」
ジョン・ラームのメキシコオープン優勝セッティング
ラームがロフト差1.5度のウッドを2本入れるワケ
「実は16.5度と18度は別モノなんです」
3W、4Wはカーボン比率を上げて余剰重量を再配置するなど、飛ばすための設計になっていることが多い
16.5度を使用している選手はほかにも!
ダスティン・ジョンソン
16.5度と21度の2本を使用
使用モデル:テーラーメイド「ステルス」3HL(16.5度)
ブルックス・ケプカ
2016年から16.5度の1本態勢
使用モデル:テーラーメイド「M2ツアー」(16.5度)
スコッティ・シェフラー
16.5度1本態勢でマスターズを制覇
使用モデル:テーラーメイド「ステルス」3HL(16.5度)
アマにもメリットだらけ
「ロフトがある分15度よりもキャリーが出るので、より実戦的です」(堀口)
キャロウェイ「ローグST MAX」(左)
「驚くほど飛びますね。スピンも十分入るので、転がりすぎることもなさそう」
タイトリスト「TSi2」(右)
「打ち出しから高さがでます。打点ブレにも強いので、悪いライでも打てそう」
月刊ゴルフダイジェスト2022年9月号より