多種多様な器具が溢れるPGAツアーの練習グリーン。いったいどんな練習しているの?
トーナメントの練習グリーンでは、選手たちが様々な器具を使って練習している。果たしてどんな目的で、どんな練習を行っているのか。パッティングコーチの橋本真和氏に解説してもらった。
解説/橋本真和(パッティングコーチ)
PHOTO/Hiroyuki Okazawa、KJR THANKS/武蔵丘GC
PGAツアーの練習グリーンでは選手たちが実に様々な練習器具を使って練習している。その理由は、それぞれの課題や弱点に対してのドリルを行う傾向が強いからだと橋本真和コーチは言う。
「パッティングは、ストロークや体の向き、距離感、さらにはグリーンの読みまで、あらゆる要素が重なり合って入るかが決まってきます。そのなかで、PGAツアーの選手たちは、要素をしぼって課題や弱点を克服しています。そのほうが効率的だと考えられているんですね。
例えば、ダスティン・ジョンソンは紐と棒を使って練習しています。棒はスライスラインに対する打ち出し方向の目安。紐はフックラインに対しての打ち出し方向の目安となっています。これはストロークのみに集中した練習で、2つのラインを行ったり来たりしているのも、苦手なラインでもストロークに集中するためだと思います。
松山英樹選手の場合は、シャフトに機械を付けて練習をしています。シャフトの動きに連動するレーザーを見ることで、ストローク中のフェースの自然な開閉を作ることができます。ダスティンはストローク、松山は自然なフェースの開閉というように、ひとつのことにスポットを当てるための練習器具が主流ということです」
ダスティン・ジョンソン
紐と棒でストロークに集中
スライスラインは棒を置き、反対側からのフックラインは紐を張って打ち出し方向を示している。目標が決まっているため、ストロークだけに集中できる
松山英樹
レーザーでシャフトの動きを確認
シャフトの動きを確認できるレーザー器具を付け、打ち出し方向を決めるゲートを作り練習する。ゆるやかなイン・トゥ・イン軌道を描いていればフェースの自然な開閉が作れる。
中島啓太
ライン入りのボールで転がりをチェック
ボールのラインを目標に向けてセットして打つ。ラインが綺麗に回っていれば順回転で打てている証拠。
ドク・レッドマン
ヘッドの通り道にティーで配置
正しいイン・トゥ・イン軌道になるようにティーをパターのヘッドより少し広く並べ、そこを通すように打つ。
月刊ゴルフダイジェスト2022年7月号より