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【さとうの目】Vol.246 試合に入る“流れ”が大事。2022年マスターズを占う

鋭い視点とマニアックな解説でお馴染みの目利きプロ・佐藤信人が、いま注目しているプレーヤーについて熱く語る連載「うの目、たかの目、さとうの目」。今回は、まもなく開幕するマスターズを徹底予想!

PHOTO/Taku Miyamoto、Tadashi Anezaki

毎年恒例、頭を悩ませる時期がやってきました。すぐそこに迫るマスターズトーナメントのおかげです。この時期、いろいろなメディアから盛んに試合展開の予想を聞かれます。いろいろなケースを想定してはワクワクしつつも、結局、通り一遍な予想に落ち着いたりします。

まず、試合に入る“流れ”が大事。今シーズンに入り優勝、もしくは優勝争いをした選手が候補に上がることは間違いありません。その点からいえば実は昨年の松山(英樹)くんは異例中の異例でした。秋開催となった20年は、同シーズンに優勝と2位を3回ずつ達成して臨んだダスティン・ジョンソンが完全優勝。19年のタイガー・ウッズの復活優勝は、直前のWGCマッチプレーのベスト16でマキロイという強敵に2&1で競り勝ったことが大きかったと思っています。パトリック・リード、セルヒオ・ガルシア、ダニー・ウィレット、ジョーダン・スピース……と、いずれもこの法則に則っています。

そうした観点から見ると、フェニックスオープン、アーノルド・パーマー招待、WGCデルマッチプレーと3勝したスコッティ・シェフラーに勢いがある気がしますが、連戦の疲労、地元優勝や世界ランク1位になって注目度が一気にアップすることがマスターズ制覇を難しくするかもしれません。

“流れ”という意味では、マッチプレーでグループステージを突破したダスティン・ジョンソンやブルックス・ケプカ、ウィル・ザラトリスなどがよい流れになったと感じています。

ザ・プレーヤーズ選手権を含んで2勝、オーガスタとも相性のいいキャメロン・スミス、ZOZOチャンピオンシップ、ソニーオープンで圧勝した松山くんも当然、候補に入ってきます。マスターズ連覇は過去にジャック・ニクラス、ニック・ファルド、そしてタイガーの3人しかやっていない偉業。昨年を超える歴史的偉業を期待したいですね。

ほかには、世界ランク2位のジョン・ラーム。優勝こそありませんが、パターが入らないのにあの成績はやはり驚異でしょう。3位のコリン・モリカワは、欧州ツアー最終戦のドバイで優勝、米国勢初の欧州年間王者に輝きました。今シーズン、PGAでは未勝利ですが、限られた出場試合のなかで優勝争いを演じています。これでマスターズに勝てば、キャリアグランドスラムに早くも王手。虎視眈々と狙っているというより、シレッと涼しい顔でスゴいことをやってのけそうですよね。オーガスタは、小技が上手い選手が上位に入ることもコリンを後押しします。

最後に、個人的に見たいのは、ローリー・マキロイのキャリアグランドスラム。その歴史的な瞬間には、ファンも含めたゴルフ界がどんな熱狂を見せるかも楽しみです。今シーズン1勝して、出場8試合で4試合のトップ10フィニッシュは優勝候補の条件を十分クリアしています。今年のマスターズではどんなドラマが起きるのか。楽しみに観戦したいと思います。

日本選手にも大注目!

「日本勢では世界アマチュアランク1位で臨む中島啓太くん、プロとして初出場の金谷拓実くんも出場。金谷くんはデルマッチプレーで善戦し調子を上げているようなので、楽しみですね」

佐藤信人

さとう・のぶひと。1970年生まれ、千葉出身。ツアー9勝。海外経験も豊富。現在はテレビなどで解説者としても活躍中

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※回答締切:2022年4月7日(木)12:00

週刊ゴルフダイジェスト2022年4月19日号より