【ギアプロ】「これはピンを刺せるアイアンです」曲がらないから狙っていける! ヤマハ「VD40」
ドライバーは今や大慣性モーメントが当たり前。大慣性モーメント=ミスに強くてやさしいモデルを選ぶ人が多いはず。だが、アイアンの慣性モーメントを気にしたことがある人は少ないだろう。アイアンも大慣性モーメントを選ぶ時代がついに来た!
PHOTO/Hiroaki Arihara、Tomoya Nomura THANKS/中山CC、フライトスコープ ジャパン
試打・解説/香西成都
元ナイキスタッフプレーヤー。ゴルフパートナーでのスタッフ経験もあり、技術だけでなくギアへの造詣が深い。ETGS千葉校にてレッスンを行う
その独特な形よりも
直進性能に驚き
ネック部が出っ張った独特な形状を持つヤマハ「RMX VD40」。この出っ張りに加え、トゥを厚くすることで、重心位置からもっとも遠いヒール側とトゥ側の両端に重量配分させた。それにより、ヘッド左右方向の慣性モーメントが標準的なアイアンでは2500〜3000g・㎠のところ、なんと4000g・㎠というウッド並みの大慣性モーメントを実現している。
「構えるとヒール側の出っ張りはまったく気になりません。それよりもヘッドが大きくて、いかにも打ちやすそうな安心感がある。グースネックとアップライトなライ角で球がつかまりそうなイメージが湧きます」と香西プロ。実際に打ってみると「何これ、本当に曲がらない!」とビックリ。
「このアイアンすごいですよ。7番でロフト角30度と、今どきの“飛び系”ほど立っていないので球が拾いやすいし、とにかく曲がらず真っすぐ飛ぶ。薄めに当たってもボールが上がるし、カットに打っても吹き上がらない。曲げようと思っても、相当意識しないと曲がりません。これならチーピン持ちでも引っかからないでしょう。曲がらないのでピンを真っすぐ狙っていける。これは“ピンを刺せる”アイアンです。自分が上手くなった気になりますね。アベレージはもちろん、上手い人が使ったら、さらにスコアがよくなること間違いなし。この形が理由で手に取らない人がいたら、その人は絶対に損をしています。だまされたと思って打ってみてほしい。本当にすごいアイアンです」(香西)
芯を外しても真っすぐ。飛距離ロスも最小限
「トゥ寄りに当たるとフェースが開いて右に行くことが多いのですが、左右の曲がりがほぼ変わらない」とビックリした香西プロ。さらに「普通のアイアンだったら15ヤードは飛距離ロス。『VD40』アイアンは多くて7ヤードしか落ちなかった。これならピンを狙ってミスしても、グリーンには乗せられます。ヒール寄りで打とうとしても、ネックの重さのせいか、勝手にヘッドが戻って来て、なかなかヒールに当たらない。シャンクしてもいいという気持ちでないとヒールには当てられなかった。普通に打っていればヒールヒットは出ないと思います」(弾道計測器「フライトスコープ」で計測。ボールはプロV1を使用)
ソールの抜けが抜群
構えたらまったく気にならない
「構えてしまえばヒール部が出っ張っていることは忘れてしまうでしょう。サイズは大きめですが、ヤマハらしいきれいな顔つき。ボールを包み込むような安心感があります。このアイアンに慣れてしまうと、普通のアイアンが小さく見えて、難しく感じそう。弾き感のある爽快な打感ですが、飛距離だけを狙ったアイアンではありません。球が上がって曲がらない。とにかくやさしいクラブです」
RMX VD40アイアン
◎シャフト/N.S.PRO 950GHneo(S)、N.S.PRO 850GH neo(R)、Diamana YR (i SR/R) ◎5本セット(#6~PW)12万1000円~、単品(#5・AW・SW)2万4200円~
番手 | #5 | #6 | #7 | #8 | #9 | PW | AW | SW |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ロフト角(度) | 24 | 27 | 30 | 34 | 39 | 44 | 50 | 56 |
ライ角(度) | 62.5 | 62.75 | 63 | 63.25 | 63.5 | 63.75 | 64 | 64 |
週刊ゴルフダイジェスト4月12日号より