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【ゴルフの急所】Vol.14 「長いクラブが苦手な人は右のふところを広くしよう」

30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/六甲国際GC


ウェッジやショートアイアンなど、短いクラブはそこそこ打てるようになったのですが、ドライバーやフェアウェイウッドなど、長いクラブになると、とにかく曲がってしまいます。長いクラブが打てるようになるためには、どんなことに気をつけ、どんな練習をしたらよいでしょう?


いくつかの原因が考えられると思います。まず、ウェッジが打てて長いクラブが打てない人に共通しているのは、「長いクラブもウェッジと同じように上から打とうとしている」ということです。

基本的に、クラブが長くなるほどアドレスの前傾姿勢は浅くなり、クラブの軌道はフラットになるのが自然です。それをウェッジと同じアップライトな軌道で打とうとするからミスになってしまうのです。

そこで、まずはいつもよりフラットな軌道を意識してみるとよいでしょう。バックスウィングで手元が右の肩口に上がって下りてくる。そんな軌道でスウィングできると、長いクラブが打ちやすくなる可能性があります。


このとき、ハンドダウンに構えていると、どうしてもアップライトな軌道になってしまうので、ハンドダウン気味の人は、普段よりハンドアップに構えるようにしてください。


クラブが長くなるほど軌道はフラットになる

長い番手ほど、アドレスの前傾角度は浅くなり、クラブの軌道はフラットになるのが自然。長い番手が打てない人は、アップライトに振りすぎている可能性があるので、いつもよりフラットに振ってみるとよい

また、バックスウィングしたときの右のふところが狭い(右ひじが深く曲がり、右ひじと体との距離が近い)人も、長いクラブが打てなくなるので注意が必要です。右のふところが狭くなるほど、入射角度は鋭角になり、ヘッドが上から入ります。すると、短い番手は打てても、長いクラブが打ちにくくなってしまうのです。

試しに、ドライバーのハーフスウィングで、ティーアップした球を打ってみてください。これが上手く打てないのは、右のふところが狭い証拠です。その場合は、なるべく右ひじを伸ばし、右ひじを体から離したままスウィングして、自然に打てるようになるまで練習してください。

はじめのうちは右ひじを曲げないで打つくらいの意識があってもいいと思います。それでも、実際には右ひじは曲がってしまうでしょうし、動きは数センチしか変わらないかもしれません。でも、その数センチが変わることで入射角度は大きく変わっていくため、長いクラブが打てるスウィングへと近づいていくのです。

Point 1
右のふところを広くすると入射角度がゆるやかになる

長いクラブを打ちこなすためには、バックスウィングしたときに右のふところを広くして、入射角度をゆるやかにすることが大切。ふところが狭いと入射角度が鋭角になり、長いクラブが打ちにくくなるので注意しよう。

右のふところが狭いと入射角が鋭角になりヘッドが上から入る

Point 2
右ひじを体から離し右腕を外旋させる

右のふところを深くするためには、バックスウィングで右ひじを体から離す(右ひじを伸ばす)必要がある。このとき、「右ひじを体から離すと、わきが開いてしまうのではないか」と考える人も多いのだが、腕が外旋していれば、わきは締まる。だから、右のふところを深くしたいときには、バックスウィングで右ひじを体から離しつつ、右腕を外旋させる意識を持つといい

月刊ゴルフダイジェスト2022年4月号より

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