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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみてVol.9「二宮家の唯一の家訓“インパクトの形は気にするな”」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

二宮家は放任主義だ。父からも母からも「あーしなさい」「こーしなさい」と口やかましく言われたことがなく、ボクも妹ものびのび育てられた。

だけど、ひとつだけ家訓がある。それは、『インパクトの形は気にするな』

なんだ、その家訓は!? とのツッコミは重々承知のうえ。きっと普通の家庭ではありえないだろう。しかし、二宮家はゴルフ一家なので、“さもありなん”と思っていただければ幸いである。

大抵の人が、打つ前に素振りをすると思うが、そのときにインパクトのカタチを意識している人をよく見かける。フィニッシュまで振り切るのではなく、インパクト直前で動きを止め、インパクトのカタチを確認する動作を何度も繰り返す。ある人はハンドファーストの形をつくり、ある人はコックをキープした形をつくる……。それを見る度、失礼ながらボクは思う。

「何の意味があるの?」

ご存知の通り、インパクトは一瞬なので、思い描く形を再現するのはとても難しい。そもそも無理に形を作ろうとすればするほど、球をつかまえるイメージがなくなってしまう。結果、プッシュアウトやスライスになってしまう。これがボクの見解だ。

もし、そのような症状に悩んでいる人がいてアドバイスを求められたら、次のように言いたい。

「形のことは忘れる! 代わりにインパクトでヘッドがどう抜けるか、を空想してはどうだろうか」と。

ヘッドが抜ける際に重要なのは、“球をつかまえる”という感覚だ。

肩をどのくらい回すとか、手首の角度はどのくらいだとか、そんなことはどうでもいい。とにかく、どんな形でもいいから球をつかまえるのだ!

それを覚えるために、以前ボクがやっていた練習があるので、今回はそれを紹介しよう。

小道具はいらない。まず、キャディバッグから、ボールがつかまるイメージが強く出るPWを抜き取る。次に、右手と左手を離してグリップし、スリークォーターで打つ。

こうして文章にすると、簡単そうだが、意外とうまくいかないものである。まず、右手がいつもより下に位置するので、かなりの確率でダフる。手が先行すればするほどダフるので、クラブと体が同調することを心掛ける。もちろん、とんでもなく引っかけることもある。いーの、いーの。左に出て左に曲がるなら大成功。それは、球がつかまっている証拠だから、その感覚をよーく覚えてほしい。ただし、右に出て左に曲がる球筋は、クラブが下から入っている証拠なので、もうちょいクラブを縦に振るイメージを持つといいかもしれない。

スリークォーターという小さな振り幅でも、「フェースは180度近くターンさせないと球はつかまらない」ということが実感できたら、しめたもの。スライスでOBという悲しい結果は確実に減ると思うよ。

手を離して(スプリットハンドで)握り、7割のスウィング幅で打つ練習が球をつかまえるのに効果的


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+3。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2016年11月29日号より