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【PGAツアーHOTLINE】Vol.21 タイガー・ウッズ、復帰の基準は“勝てる”こと

PGAツアーアジア担当ディレクターのコーリー・ヨシムラさんが米ツアーのホットな情報をお届けする隔週連載「PGAツアーHOTLINE」。第21回のテーマはタイガー・ウッズの試合に対する価値観について。

ARRANGE/Mika Kawano

NASSAU, BAHAMAS – DECEMBER 05: Tiger Woods of the United States hits balls on the range during the final round of the Hero World Challenge at Albany Golf Course on December 05, 2021 in Nassau, . (Photo by Mike Ehrmann/Getty Images)

タイガーが考える復帰の基準は「優勝争い」

昨年末、息子チャーリーくんとのペアで親子大会に出場し、事故以来9カ月ぶりの勇姿を見せてくれたタイガー・ウッズ。この話題は世界中で好意的に受け止められました。

ファンが待望するのはいつタイガーがツアーに復帰してくれるのか? しかし本人は「レベルの高いツアーで優勝争いできるくらいの状態にならなければ戻らない」と直近の復帰を否定しました。

一時は「右脚を失うことも考えた」という重傷を乗り越えた彼が、親子大会で見せたショットは、素人目にはツアーで十分に戦えるレベルのように映りました。でもタイガーは「勝ちを狙えなければティーインググラウンドには立たない」とデビュー当時から語っているセリフを繰り返します。以来、健康に関してアップデートされた情報はありません。


親子でのチーム戦「PNC選手権」に出場したタイガー。本戦での復帰が待ち遠しい

それは今から12年ほど前の2010年のこと。ライダーカップのキャプテンピックでリッキー・ファウラーを選ぶかどうかで悩んでいたコーリー・ペイビン主将が、タイガーに意見を求めたことがあります。慎重に思いを巡らせた34歳のタイガーは、こう答えたそうです。

「勝つことがある意味では重要なのでは?」

そう、タイガーにとって勝つことこそ生涯を通して追求している最大のミッションなのです。

当時ファウラーは大学を出たばかりの21歳。プロ2戦目でプレーオフに進出するなどセンセーショナルなデビューを飾り、若手のホープとして人気が沸騰していました。しかしその時点でまだ優勝はしておらず、タイガーは「勝っていないこと」を懸念したのです。結果としてファウラーはキャプテンピックで選ばれましたが、チームは1ポイント差で欧州に敗れました。

タイガーの尺度では真剣に勝つことに取り組んでいる選手こそが真のプロなのです。そういった意味では2年前の新人王スコッティ・シェフラーや、先のファーマーズで勝ち切れなかったウィル・ザラトリスには物足りなさを感じているかもしれません。未勝利ながら世界ランクは14位と29位。2人はまだ25歳。これから優勝のチャンスはあるでしょう。しかし優勝製造マシンのタイガーは早くしろと焦れているのかも。次回は22年のアメリカ勢の展望をタイガー的見地から考察します。

コーリー・ヨシムラ

PGAツアーのアジア全体のマーケティング&コミュニケーションディレクター。米ユタ州ソルトレーク出身でゴルフはHC6の腕前

週刊ゴルフダイジェスト2022年2月22日号より